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目が覚めたら朝の6時過ぎでした。 休みの日なんだからもちっとゆっくり寝てれば… と自分を笑った後、こんどこそ眠くならずにLJを読み進め。 ラスト200ページ程、読み終えたら9時前でした。
本日読了の本
・高村薫「レディ・ジョーカー 上下」毎日新聞社
上下合わせて一週間ですね。 途中やたら進みが悪かったのは、 決して大きくない工場の1部所の話ならついて行けるけれど、 大企業やら総会屋やら政治家やらの話にはどうも取っ付けない… ということだったらしい。 面白くない訳じゃないけれど、寝不足体力不足の身には辛かった…と。
変な話ですが、競馬の話は嫌いじゃありません。 自身はまるでやらないし、賭け方もシステムすらも解ってないし、 専門新聞だって覗いて見たことすら無いにも関わらず、 ストーリーの中の小道具としての競馬は何故か嫌いじゃないのです。 見ず知らずの人間が共通の趣味として、 いろいろな想いを抱きながら、名も知らぬまま共鳴しあっている… という形が何か共感を呼ぶのかもしれません。
とりあえずいろいろと複雑な思いはあるのですが、 問題となる部分を除けば基本的に高村作品は面白いです。 良く取材してある緻密な描写は、決してしつこくなく、 それでいて興味も尽きません。 久しぶりにどっぷり浸かれる作品群でした。
以下ネタばれ犯人バレ感想。
ラストに至って、あぁ、そこまで書くか、結局は高村もそうなのか… と溜め息をつくしかなかった。 実際のところ、作者自身がキャラ萌えするのは、 そしてそれをはっきり表明してしまうのは、 私もあまり好きではない。 (このもは、同人関係とは無関係) 仄めかす程度なら良い。 けれど、決定的な記述は同人がやれば良い話であって、 作者が直截に描いてしまってはお終いだと思う。 そもそも、あれを本人が書いてしまったら、 合田モノはもう書き様がないではないか。 と思うのは、私だけか?
まぁ、青様からの情報によれば、また合田モノは書かれているようなのだが、 合田と加納の馴れ合いモノだけは勘弁してほしいな…というのが本音。
さて、 合田の直情さというか、何かに捕われてしまうと後先考えない 破滅型の行動というのは、妙に共感できて可笑しい。
けれどその半面、というかだからこそ
半田に対するどこか矛先違いな執着も照柿での暴走も、 たぶん同じところから生まれているのだけれど、 ただ何か嫌なものを感じるのは、 ずっと合田自身が真の破滅を迎えそうな気がするのに、 いつも現実の破滅をするのは相手側だ…ということ。 ナイフを手にしたのが半田で、 合田は結局昇進してしまう…というラストは どうにも居心地の悪い結末だった。
あれは神のご加護というよりは加納のご加護なんじゃないか、 そんな疑念が湧くほどに…。 そんな処にもちょっと嫌だったのかもしれない。
作者は合田が好きで、合田モノはずっと続けたいのかもしれないけれど、 合田という人物の性格からして、やはりあんたが破滅しろよ と、どうしても思ってしまう。 どうせああいう話にするのなら、 あの加納の科白を、合田は結局聞けなかった方良かった。 加納はもうその言葉を聞くことのできなくなった合田を前にして 号泣して叫び続けて欲しかった。
もうひとつ、どうしても合田が生き残るなら、 ラスト、物井とレディを見るのは合田にして欲しかった。 もっとも、半田をあれほどずっと張っていたのだから、 どう考えても合田は布川もレディも見ている筈だし、 レディも一度くらいはレディと呼ばれていただろうし、 その時点で全てが判らなければおかしいから、 久保ほどのショックはなかったであろうけれど…。 (布川がどの時点で競馬場から遠退いていたのか、 その細かい時系列までは憶えていないのと、 レディという名前を呼ぶのはあまりに危険であろう ことを考えると、上記は間違っている可能性大ではあるが)
キャラ萌えといえば、「李歐」についての噂だけ聞いた時、 高村を読むのをはっきりためらった、その理由がそこにはあって、 「李歐」を読むかどうかはかなり謎ななりつつ。
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