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2004年07月17日(土) 「アダムの呪い」

本日読了の本

・ブライアン・サイクス著/大野晶子訳「アダムの呪い」ソニー・マガジンス

 予約準備中だった本がいきなり廻ったきたのにはびっくりしましたが。
 2004.7.11付け「イヴの七人の娘たち」の続編です。

 前回が女性のみに受け継がれるミトコンドリアDNAだったのに対して、
 今回のは男性のみに受け継がれて行くY染色体。
 すごく情報量が少ないのにそのほとんどを有効活用している
 ミトコンドリアDNAに対して、圧倒的に情報量が多いのにその大半が
 クズ情報だというY染色体は、不安定さに関してもミトコンドリアDNA
 の比ではないらしい、というのは知らなかった事実。

 性が2つあり、遺伝情報がミックスされる理由が、
 多様性を作って種の繁栄を目指すためではない、
 あれは遺伝子の陰謀なのだ、という説はどこかで確かに聞いた記憶がある。
 ミトコンドリアDNAとY染色体はずっと戦い続けている。

 自分のことしか考えない遺伝子は周囲の環境のことなど無視して暴走し、
 やがてその暴走に歯止めが効かなくなって絶滅する。

 自分というものを考えられる人間が、人間であるが故に
 目に見えない普段意識もしないモノに操られている…
 という説は、なんとも皮肉なことに違いない。

 男性はどこへ向かっているのだろう?
 Y染色体の生き残る術はあるのか。
 そして男性にも強く影響をしているミトコンドリアDNA。
 人類が人類のままで居られるのかはたまた蟻になってしまうのか、
 どうせその答えが出るのはまだ何万年も後のことだけれど、
 それより暴走による絶滅は目の前まで来ているのかもしれない。

 「アダムの呪い」に打ち勝つ、今すぐにできることって何なんだろう?


***

私信:
 情報活用頂けたようで何より。
 もっとも、長年愛着もあったものを情け容赦無くゴンゴン扱われると、
 実際ちょっと凹みます。それだけはご覚悟あれ。



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