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2003年05月09日(金) 「紫嵐」

錨様>
 お返事差上げたいのですが、多忙につき落着くまでお待ち頂きたく。
 遅くとも10日いっぱいまでにはお送りいたします。

***

どう考えてもマズいと思いつつ、
今しかタイミングが無いという思いに急っつかれて読み切る。

きつくて今回はもう見送ろうと幾度となく思ったものの、
取り敢えず、映画『MOON CHILD』の勢いを借りてみた。

 +++

本日読了の本

 ・五條瑛「R/EVOLUTION 2nd Mission 紫嵐 <Violet Storm>」双葉社

  重い。

  アジアの闇の話は、余りにかけ離れた処に居るだけに
  余りに解らないだけに、決して解る事のできない重さを感じる。

  このシリーズは単なるスパイ小説ではない。
  作者の本当に言いたい事が何なのか、
  (もの知らずには)読み取れないけれど、
  そこには決して紛い物ではない闇が垣間見える。

  だからこそ、とてつもない重さを感じてならないのかもしれない。

  読むのがきついのは、自分が何かを“覚悟”する…
  という類の事が一切できていないからだろう。

  闇に生きるしかなく、どうしようもなく闇の底に飲み込まれて行く
  人間達を、決して理解する事ができないからこそ、
  そこには侮ってはならない重さを感じるのだろうと、
  勝手に想像してみた。


  シリーズの次作は「心洞<Open Sesame>」。
  今までのペースで行けば、今月来月中には出るのだろうか?

  調べれば簡単に解る事と知りながら、調べる気になれないのは、
  自分に果たして読み進める資格があるのか?という疑問か、
  はたまた確かに実在するのであろう現実から目を逸らしたいのか。

  取り敢えず、何かきっかけが無ければ読めない…
  そんな気がする。

***

昨日読了の小説

 ・西尾維新「きみとぼくの壊れた世界 体験版」メフィスト収録 講談社

  読みきりかと思いきや、読者への挑戦付きの尻切れトンボ。
  解決編は後程ノベルス版で出るらしい。何だかなぁ…。

  相変わらずこんな名前は居ねぇよ!的ネーミングの人々。
  設定はどことなく有りがちな学園もの。

  西尾維新が描く人間関係の中で、どこか妙にべったりしたモノが
  読んでいていささか辛い気にさせる。

  それでも段々この作者の作品にハマって行くような気がするのは、
  上遠野浩平の「ブギーポップシリーズ」にも似た、
  理由不明のノリの良さに惹かれているのかもしれない。

  ノベルス版は、悔しいけれど出たら買うんだろうな…と思う。

***

昨日読了の小説

 ・上遠野浩平「ジャックポットの匙」メフィスト収録 講談社

  賭けの匙加減、それが解れば苦労はない…か。
  比率がそういうものなのかどうかは解らない。

  それにしても、弱小国の大使館が非合法カジノの会場…
  というのは、知る人ゾ知る常識なのだろうか?

***

また深夜3時を回ってしまった。
今寝たら起きられない気がして、どうしようか思案している。

ホンの一年前なら、毎晩の事だったのに…。

どこかで緊張感が違っているのかもしれない。

***

できる範囲の事なら可能な限り力になりたいけれど、
もう深入りする事はしないだろうと思うと、
ただ、聞くことだけしかできない。

関わるならオールオアナッシングだ。
中途半端に関わるのが一番良くない事だと学んだばかり。

できる事とできない事がある。
貸せる知恵は貸すけれど、後は当人がするしかないのだ。

踏み越えてはならない一線、その手前で留まる事、
それが一番正しいのだと、言い聞かせて留まろう。

学べ。
同じ轍はもう踏むな。


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