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本日読了の本
・東郷隆「御町見役うずら伝右衛門(上)(下)」講談社文庫
前述の通り(いきなり何がやねん!と悪態をつかれつつ、 2002年8月31日の日記参照と敢えて(おぃ))こと社会科と呼ばれる物は、 歴史と言わず地理と言わず須らく苦手な身としては、 八代目将軍吉宗と尾張藩主宗春の確執…と言われてもピンと来ない。 来ないので最初は何の話だかさっぱり解らなくて往生した。
書き方の癖だろうか、焦点の人や舞台が替わると、 その度にそれに関する事項を歴史を遡って解説するので、 誰の何を語っている最中だったのかがすぐに判らなくなる。 上巻はかなりな部分そんな感じだったから、 話の大筋を呑み込むのに結構掛かってしまった。
でも、あの「定吉7番シリーズ」を手掛けた東郷隆のこと、 話が見えて来ると俄然面白い。 各種忍者入り乱れ、敵と味方がごっちゃになって、 締り屋吉宗と遊楽の人宗春の対比がなかなかの味である。
伝右衛門は宗春サイドの人物だから、宗春の考えを善しとしがちな 書き方ではあるのだけれど、吉宗だって好きで倹約ばかり してる訳じゃない、イナゴの被害だって大変なもんだろうて…と、 どっちも判るわぁ…といった雰囲気が好ましい。
東郷隆の描く人物も好きだねぇ。 主人公伝右衛門の飄々とした様とか、別式女百合の心の移ろいとか、 卜識お幸と百合の対決(?)もなかなかの見物。 変化の仙蔵など、萌え処満載タイプという人も多いのでは?
あ、屋敷内に住み着いてる白狐達もかあいかったvv つか、大きな武家屋敷には狐が住んでるのは常識なん?
それにしても別式女<べつしきめ>というのが何だったのか、 結局解らないままだった。 女忍者、くノ一の一種なのでしょうか?
さてこのシリーズ、既に続編が出ているらしい。 今度は図書館で探してこようっと。
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