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2003年04月15日(火) 「御町見役うずら伝右衛門」

本日読了の本

・東郷隆「御町見役うずら伝右衛門(上)(下)」講談社文庫

 前述の通り(いきなり何がやねん!と悪態をつかれつつ、
 2002年8月31日の日記参照と敢えて(おぃ))こと社会科と呼ばれる物は、
 歴史と言わず地理と言わず須らく苦手な身としては、
 八代目将軍吉宗と尾張藩主宗春の確執…と言われてもピンと来ない。
 来ないので最初は何の話だかさっぱり解らなくて往生した。

 書き方の癖だろうか、焦点の人や舞台が替わると、
 その度にそれに関する事項を歴史を遡って解説するので、
 誰の何を語っている最中だったのかがすぐに判らなくなる。
 上巻はかなりな部分そんな感じだったから、
 話の大筋を呑み込むのに結構掛かってしまった。

 でも、あの「定吉7番シリーズ」を手掛けた東郷隆のこと、
 話が見えて来ると俄然面白い。
 各種忍者入り乱れ、敵と味方がごっちゃになって、
 締り屋吉宗と遊楽の人宗春の対比がなかなかの味である。

 伝右衛門は宗春サイドの人物だから、宗春の考えを善しとしがちな
 書き方ではあるのだけれど、吉宗だって好きで倹約ばかり
 してる訳じゃない、イナゴの被害だって大変なもんだろうて…と、
 どっちも判るわぁ…といった雰囲気が好ましい。

 東郷隆の描く人物も好きだねぇ。
 主人公伝右衛門の飄々とした様とか、別式女百合の心の移ろいとか、
 卜識お幸と百合の対決(?)もなかなかの見物。
 変化の仙蔵など、萌え処満載タイプという人も多いのでは?

 あ、屋敷内に住み着いてる白狐達もかあいかったvv
 つか、大きな武家屋敷には狐が住んでるのは常識なん?

 それにしても別式女<べつしきめ>というのが何だったのか、
 結局解らないままだった。
 女忍者、くノ一の一種なのでしょうか?

 さてこのシリーズ、既に続編が出ているらしい。
 今度は図書館で探してこようっと。


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