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昨日読了の本
・北森鴻「凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI」新潮社 北森鴻「触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII」新潮社
某所お勧め本の2冊。
最初図書館で偶然「触身仏」の方だけ見つけて即借りした。 一応一話読み切りで、「凶笑面」を読んでなくても読める… との情報有りだったからだ。
で、この「触身仏」を読み終えない内に一週間が経過、 再度行った図書館に「凶笑面」を発見! 読み残していた「触身仏」のラストの方と、 「凶笑面」を一気に読了… という次第。
完全なる先入観で、何となくこれはミステリーだと思っていたし、 本の見返しにも「本格民俗学ミステリ」と書いてあるのだが、 あまり“ミステリー”という印象は無かった。
民俗学の助教授の蓮丈那智と、その助手内藤三國が、 各地の伝承について民族学的見地からその本質を解き明かして行く。 以前から民族学的アイテムは結構好きだったので非常に 興味深く楽しめたのだが、ひとつ致命的な弱点があった。
それは、古事記や日本書紀まで遡って、 それらの物語が意味するものが本当はなんであったのか… というこれらの考察が、事実としてどの程度正しいものなのか… という事。
およそ民族学に関わる人達の間ではほぼ常識に等しい見解なのか、 はたまた、百人一首やいろは歌に隠された本当のメッセージは…? 的ファンタジックな作り話のひとつなのか、それが判らない。 自身がかなり不勉強であるので、そのまま鵜呑みにしようと思えば できてしまうのだが、ミステリーと銘打たれると純然たる フィクション(謎解きの部分も含めて)なのではないか… と思ってしまう。 その曖昧さが、無条件に楽しめなかった最大の要因らしい。
ほら、実はトンデモ学説的謎解きだよ〜って事だと、 鵜呑みにしたら絶対馬鹿みたいじゃない? でも、民俗学的に正しい方向性のものだったとしたら、 ちょっとのめり込んでしまいたいと思える程面白いものなのよ。
でも、そのどちらの性格も飲み込んでしまうのが、 民俗学…というものなのかもしれないね。
+++ しかし… この登場人物の力関係、 如何にもあの業界(?)には有りそうだよぁ。 エキセントリックな学者ってのは、動物のお医者さんの漆原教授 だけでは無い…という事だね!(笑)
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え? 年齢制限の基準って何? 教えておくれ〜
最近ちょっと教えてくんのやうな気がする…(こら)
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