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2002年10月26日(土) 時の誘拐

本日読了の本

・芦辺拓「時の誘拐」立風書房

 ぼちぼち、芦辺拓は「○○作家」と、明言したくなってきた。
 しかし、この○○を明かすと、どうもネタバレになってしまうので書けない。
 ただ、ここまで芦辺を何冊か読んできて、少なくともあるシリーズだけは、
 その傾向が非常に強い… という事だけは、確かなのかも…という気がしている。

 そしてもうひとつ、芦辺は実は結構社会派なのかなぁ…という事。

 今回の「時の誘拐」にも、「メトロポリスに死の罠を」と共通する様な
 ある種の主張がある様に思えてならない。
 それが、単にネタ・トリックの為のものなのか、
 本当にもっと社会派的何かがあるのか、それは私には読み取りかねたけれど。

 芦辺の作品にはロマンがある。
 世界は全然バラバラなモノの様に見えて、実はどこかで繋がっている。
 単純なモノに見えても、その側面は全部違う色形をしている。
 何かを追いかけて行ったら、思いもよらない景色が目前に現われるような、
 そんな不思議さと、わくわくする面白さがある。

 そのパノラマは、今度はどこに連れて行ってくれるんだろう?
 なかなかに楽しみである。

 ちなみに「時の誘拐」は「時の密室」(10/3付の日記参照)の姉妹作で、
 「誘拐」の方が先である。
 順番が逆になってしまったが、両方を読み終わった感想としては、
 私的には「密室」の方が好みかと。
 どっちかというと、「誘拐」の方が社会派色が強いから…かな。

***

さて、結局一冊読み終われなかったので、予約入ってなかったら延長だな。
図書館、行ってきま〜す。


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