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本日読了の本
・芦辺拓「時の誘拐」立風書房
ぼちぼち、芦辺拓は「○○作家」と、明言したくなってきた。 しかし、この○○を明かすと、どうもネタバレになってしまうので書けない。 ただ、ここまで芦辺を何冊か読んできて、少なくともあるシリーズだけは、 その傾向が非常に強い… という事だけは、確かなのかも…という気がしている。
そしてもうひとつ、芦辺は実は結構社会派なのかなぁ…という事。
今回の「時の誘拐」にも、「メトロポリスに死の罠を」と共通する様な ある種の主張がある様に思えてならない。 それが、単にネタ・トリックの為のものなのか、 本当にもっと社会派的何かがあるのか、それは私には読み取りかねたけれど。
芦辺の作品にはロマンがある。 世界は全然バラバラなモノの様に見えて、実はどこかで繋がっている。 単純なモノに見えても、その側面は全部違う色形をしている。 何かを追いかけて行ったら、思いもよらない景色が目前に現われるような、 そんな不思議さと、わくわくする面白さがある。
そのパノラマは、今度はどこに連れて行ってくれるんだろう? なかなかに楽しみである。
ちなみに「時の誘拐」は「時の密室」(10/3付の日記参照)の姉妹作で、 「誘拐」の方が先である。 順番が逆になってしまったが、両方を読み終わった感想としては、 私的には「密室」の方が好みかと。 どっちかというと、「誘拐」の方が社会派色が強いから…かな。
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さて、結局一冊読み終われなかったので、予約入ってなかったら延長だな。 図書館、行ってきま〜す。
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