ひとりアライグマ同盟バナ 朶話事 たわごと

目次最新来し方行く道


2002年08月04日(日) 超私信:お誕生日おめでとう!

ただただ、あなたという存在がこの世に生を受け、私との糸が交わり、
それに依って今の私が存在し得る故、その感謝を告げる日。

***

キリ番履歴に2万ヒットのりささんと、前後賞のうっかり王様のお名前を登録致しました。

***

本日読了の本(再読)

・笠井潔「熾天使の夏」講談社

 カケル第ゼロ作である本書の、何度目の再読であろうか?
 何度読み返しても消化(或は昇華)できずにいる作品である。
 しかし今回、これは消化すべきものでは無い(又はする必要が無い)のではないか…
 という想いを抱き始めた。
 読む度に、捉え方が、感じるものが違って来る。
 それは自分自身の変化の投影であり、カケルが直観する想念を“今”どう捉えるか…という事が、
 自分の変化の具現であり、確認でもある… そんな気がした。

 初めて読んだ時、異様な高揚感の中で、しかし説明された「革命」の観念すら理解できなかった。
 次に読んだ時、彼はその想念の果てで実際に死んだのだろうと感じた。
 そして今回、その想念は一種の自己満足にしか見えなかった。
 死んではならない! 生き伸びてその重みを背負え! と、思い続けた。

 前回からの間で、そこで言うところの「革命」の意味は多少なりと理解できる様になったと思う。
 しかし、そこから逃走してしまった者が、独り特権的な死を遂行する…
 という成り行きには納得が行かない。

 「すべてよし」は、まだ遠い。
 カケルは、自分はどこに向かうのか、それを確かめるためにも、また再読するのだろう。

+++

いつも思うのだが、この本、夏場読むなら猛暑のうだる暑さの中で読みたい。
けれど、昼間はまとめて時間が取れないし、いろいろと気が散って集中できない。
仕方が無いので夜中読む事になるのだが、夜中は結構涼しく快適なのだ。
汗だくで読書…というのはどうかと思うけれど、やはり過酷な環境で読んでみたい本である。


目次最新来し方行く道
 mailhome@sub_racoonbooks/moviephoto