20年以上前だろうか、実父が一時期 “インドカレー作り”にはまったことがあった。
私にとって当時カレーといえばいわゆる “お母さんのカレー”もしくは“給食のカレー”といった スパイシーとは程遠いものだったように記憶している。 (子供だったせいもあるだろうけれど) しかも実父が料理することは殆どなく 日曜お昼のお好み焼きくらいしかなかった。 そんな実父がなぜカレー作りにはまったのかは 未だに聞かぬままだが、断片的に憶えていることがいくつか。
●スパイス類をホールで何種類も買ってきたこと。 ●そのスパイス類は結局私達がポプリ作りに使ってしまったこと。 ●カレーのレシピ本にあった“レヌ・アロラ”さんのお名前。 (この方が日本におけるインド料理で有名な方だと知ったのは、だいぶ後である) ●カレーを作るたび、カップで計るサラダ油の量に実母がびっくりしていて 作った後の片付けが大変だとぼやいていたこと。 (実父が後片付けをすると、どうしても雑だったため 結局実母が後片付けをしていた。) ●ナンは作っていた憶えがないということ。
しかし残念なことに、私はそれだけ実父にとって 気合が入ったカレーの味を全く憶えていないのだ。 おそらく“後片付けが大変”で実母に止めさせられたか 実父自身が飽きて作らなくなったか 私ら子供の評判が良くなかったからだろう。
今日は何となく、そんなことを思い出した。
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