-殻-

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2004年01月04日(日) 電話

驚いたけど、嬉しかった。
扉の向こうで眠っている彼女に聞こえないように、
ずいぶんと気を使って話したけど。

そういえば、あの頃から君は夜中に電話をする癖があったね。
僕が電話を取ると、受話器の向こうから缶ビールを開ける音がする。

ぷしゅ。

「お疲れさま、かんぱーい。」

そうして夜な夜な、電話を挟んで僕らは他愛のない話をした。
忘れかけていた感覚を、すぐに思い出した。
穏やかな、穏やかな時間。

こんな風に話せるなんて、思っていなかった。
僕は許されないと思ってたんだ。

きっと、君は今、幸せなんだろう。
だからこうして、僕に話しかけられるんだ。

僕はそう思うことで、君との距離を保つ。
まさか君が淋しくて電話をしてきたなんて、思っちゃいけない。
僕は君を、捨てたんだよ。


でも、また話がしたい。
臆病な僕は、許されたいんだ。
君にとって、本当は僕が憎しみの対象でしかなくても、
許したフリをしてくれれば、それで僕は救われるんだ。


騙してくれて、ありがとう。

そんな言葉さえも、僕は飲み込む。
全てを、今見えているままに留めるために。





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