-殻-

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2002年12月18日(水) ほんとうのおわり

ほんとうに、ほんとうに、
ぼくらはおわってしまうのかな?

こんなふうにあっけなく、
こんなふうになさけなく、
こんなふうにありふれて、

おわってしまうのかな。

きみがはじめてうそをついたときに、
ぼくははじめてなみだをながした。

そしていまはぼくのうそが、
きみをたくさんなかせている。

きみはすがりついて、
ぼくをはなさない。
こんなひどいぼくを、
まだすきだという。

でもね、
でもね、

きっとそれはひとときのものなんだ。
すぐにつらくなってしまうよ。
こんなぼくをゆるしてしまったら、
きみはいつまでもくやむことになるよ。



きみからぼくにせをむけないと、
ずっとずっとこうかいするよ、
だからきみがいくんだ、と、
ぼくはいった。

きみはうなづいて、
なんどもなんどもためらいながら、
ようやくぼくにせなかをむけた。

まがりかどをいちどまがって、
またすぐかおをだした。

ぼくはまだここにいてきみにてをふった。
きみもぼくにてをふった。

きみはまたまがりかどにかくれた。

ぼくはきびすをかえして、
きみとはんたいがわのまがりかどをまがった。


ひょっとしたらあのあときみは、
もういちどあのまがりかどからかおをだして、
ぼくがいることをきたいしたかもしれない。
でもそこにはぼくはいない。

そのとききみがどうかんじるかは、
ぼくにはよくわかるんだ。
むかしあのひとがぼくのまえからすがたをけしたとき、
そのときのあのきもち。

むねのおくのおくのほうが、
きゅううううっとするかんじ。

ああ、もうだめなんだ、だめなんだだめなんだどうしてだめなんだ。
だけどだめなんだ、どうしてもどうしてもだめなんだ。


ぼくはへやにもどって、
きみとすごしたひびのすくないしゃしんをながめている。

きみはなんてきれいだろう。
なんてきれいなんだろう。
そんなきみをぼくはきずつけ、
つらいつらいさよならをした。


ぼくにのこっているのは、
せつなさと、
むなしさと、
さみしさと、

そして、

どうしようもなく、

なさけないじぶん。





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