かやたにりょういちの日記
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2006年06月22日(木) 岩城さん

指揮者の岩城宏之さんが亡くなりましたね。
岩城さんといえば、芸大打楽器科の大先輩というだけでなく、僕が今までの人生で最初から最後まで一気に読みきった数少ない本「森のうた」の著者でもありますが、なんと言っても思い出深いのは、大学2年の時にオーケストラの特別授業で岩城さんの指揮でブラームスをやった事、そして同時期に指揮科の授業でバルトークの2台ピアノと打楽器のためのソナタを学生に指揮させるという授業に参加した時のことです。

オケの授業では、例のあの左手と顔の迫力で、拍感がわかんなくても自然に「ここで入る!」っていうポイントがわかってしまう独特の感じを初めて体験しました。その授業で、事もあろうか指揮科の学生が何人か遅刻してきたという事件があって、その時岩城さんは

「指揮者ってのは、オケの人に対して、タイミングが0,何秒早かった、とか遅かった、と言わなきゃいかん立場にあるのに君たちはいったいどんだけ遅れてるんだ!!」

と、意味がわかったようなわからないような注意をして、「僕は今年限りで指揮科の客員をやめます」といって本当にやめてしまいました。

バルトークの授業は本当にいい機会で、岩城さん自身も打楽器で経験している2番パートをやった僕に「あそこは難しいんだよねー」とかいいながらアドバイスしてもらいました。そのときも厳しい言葉で指揮科の学生に「君たちが将来大指揮者になったら土下座して誤るけど、指揮者に向いてないと思う」という厳しい言葉を投げてました。

結局それ以来お会いすることも無く、岩城さんに土下座をさせるような輩も出ず亡くなってしまいましたが、病気をしてからも打楽器リサイタルを開いたり、ベートーベン交響曲連続演奏にチャレンジしたりと、精力的に活動している姿は本当にすごいミュージシャンだったなぁと改めて思いました。

「森のうた」に書いてあるような学生時代の若い志を73歳で死ぬまで持ち続けていたんでしょう・・・。


かやたにりょういち