奇跡を信じて〜あれから〜
R



 蘇生

昨夜、医師からの話とは
Hの最後の事であった
それは呼吸停止の場合
心臓停止の場合の処置についてだった

もし呼吸が停止したら
心臓が停止したら
どこまでの処置をして良いのかを問われた

私はもちろん弟の意見に従いたいと思った

弟の答えは
自然のままにHを見送る事だった

その後、Hの家に弟と寄ったが
居間で母は眠っていた
弟に「最後の姿は見たくないでしょ?」と聞かれた
私は「NO」と答えた
病室でたった一人ぼっちで逝かせてしまう事は
想像できない
せめて私達が到着するまでは・・・
その気持ちを弟に伝えると
「そうだよね。明日訂正しよう」と弟は言った

そして私は病院へ戻った

Hに水を飲まそうとしたが
長い間口に含むが上手く飲み込むことが出来ず
看護婦さんに鼻から管を通してもらう
それさえHは苦しそうに涙目になる
呼吸停止の場合に口から異物を入れるよりは
Hが苦しまない方法を・・・
それでも最後の時には側にいたい

2002年04月07日(日)
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