01：知っている人と知らない人

僕達の違いは知っているか、知らないか……ただそれだけである。
全てを知り尽している僕と、知らないままの彼。
その差は歴然としているが、いつでも彼はそんなものは些細な事と、ハンデキャップをいとも簡単に飛び越えてくる。
正直、びっくり仰天もいいとこさ。

知らないクセに迷わず進んで、それだけなら無謀で終わってしまうのに……出す答えが必ず正解に近いところなんて。
笑えないし、確率的にありえない。

けれど何度見ても同じように行動しているし、同じように結果を出してくる。
それが計算で無いことは重々承知だ。
知らない強み？
どうだろう。

けれどハッキリしているのは、知らないで正解に近付けるんだから、羨ましいってことかな。

bzen