女の世紀を旅する
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| 2004年06月27日(日) |
危機に立つ日本社会・超少子化の背景 |
危機に立つ日本社会・超少子化の背景
2004/06/27
出生率1.29%がもたらす日本社会の危機を考えておきたい。
なぜ日本の女性は子供を産みたがらないか,その背景についても探ってみたい。子供はますます減ってゆき,老人が巷(ちまた)に溢れる社会がまもなく到来する。 まぎれもなく日本社会と日本文明は変容と退潮をよぎなくされるだろう。
国連の定義では、65歳以上の高齢者の割合が総人口の7%以上を占めると「高齢化社会」とみなされ、14%に達し、それが持続すると「高齢社会」と呼ばれる。 これに対し、「少子化」には国際的な定義となる数値的基準はないが厚生省国立社会保障・人口問題研究所では、少子化とは
�〇匐,寮簑仗瑤�少なくなっている。 �⊇仞故┐�低下している、という現在進行中の二つの現象をしめしていると 指摘している。
日本は99年4月1日現在で高齢者人口が総人口の16・5%以上を占め、また合計特殊出生率は、現在の人口を維持するために必要な人口である、人口置換水準を下回り、さらに下降しつづけており、高齢・少子化社会である。
詳しい少子化の現状は次の通りである。出生率は第2次ベビーブームの2.14人をピークに下降状況にあり、1998年には1.38人を示し,2004年には1.29%となった。
また、子供を産む年代を見てみると、20代で出産する女性が減っており、30代や40代で出産する女性が増加している。総人口に占める15歳未満の子供の割合も戦後初めて15%を下回り、14.9%になった。ほかの先進国を見てみると韓国が22%、アメリカが21.8%、フランス19.2%、イタリア14.7%である。日本の数字はイタリアに次いで世界でも低い水準である。
日本の少子化は第二次世界大戦後に急速に進んだ。戦後の人口推移を振り返ると1947年から49年まではベビーブームにより出生率が上がったが、人口抑制のために、政府が「優生保護法」を施行し、人口妊娠中絶を許可したこともあり、次第に近代的な少産体制へと移っていった。
政府の少子化対策としては、98年に私的諮問機関「少子化への対応を考える有識者会議」を設置したのを始まりに、99年には、出生率の低下要因を�〔ず�率の上昇、�∋纏�と育児の両立の負担感の増大、と分析し、家庭や職場、地域における性別による役割分業、職業優先の企業風土を是正するために社会全体で取り組む必要があると強調して、施策をまとめた「少子化対策推進基本方針」を決定している。これに基づき厚生省などは育児休業を取ることや育児休業後に職場復帰しやすい環境整備を推進すること、育児休業の給付水準を拡大するなどの実行計画を立てた。 このように順次少子化対策は打ち出されておりこの姿勢は評価すべきであるが、大きな効果が得られるかは疑問が残る。
●少子化の原因
経済学者のハーベイ・ライベンスタインは子供をもつ効用を、 �/討妨朕妖�な喜びを与えてくれる消費的メリット、 �∀�働力として所得をもたらしてくれる所得メリット、 �O係紊簓袖い砲覆辰浸�に世話をしてくれる年金メリットの3つに分類している。
しかし、現在では、こ�◆↓�のメリットは期待できないようになっている。そして、そのことは、子供を持つコスト・パフォーマンスが低下したことを意味する。だから最近では子供を産むためには、本人が納得できる理由が必要となってしまった。 98年に発表された「男女共同参画社会に対する世論調査」によると子供は必ずしも必要ない」と答えた未婚女性の割合は63%に達し、日本人にとって子供を持つことはライフサイクルの一部ではなくなりつつあるということがわかる。 また、「結婚に対し、喜びや希望を感じるか」とうい質問に対して、「感じる」、「感じた」と答えた人は全体の84%であった。未婚の男女は58.7%、女性は60.6%に過ぎず、否定的に答えた人も約1/4にまで達している。一方「負担に感じる」と答えた人は36.3%にもなった。未婚の男女も結婚への負担感を抱いていることから、若者たちが結婚から遠のいていることはうなずける。 どのような負担を感じているかという点については、女性は「家事の負 担」(38.8%)、「仕事と家庭を両立させるのが困難」(37.5%)、「行動の自由が制約される」(35.5%)、「育児」(32.6%)である。男性は「経済的負担」(68.9%)が一番多く、次は「行動の自由が制約される」(33.2%)と大幅に減り、3番目の負担感は「育児」(22.8%)であり、さらに少なくなる。 このように男性の場合、経済的な負担を一人で背負い込んではいるが、その他の負担が比較的少ない。それに比べて、女性は経済的には男性に任せている一方で、「家事」や「仕事と家庭の両立」をはじめ、ほぼすべての項目に対して同じように負担を感じていることがわかった。このように、各種アンケート調査では「男は仕事、女は家庭」と答える人が年々減っている反面、実際には男女ともこの意識構造からなかなか抜け出せないでいるということがわかる。 「結婚したら子供をもつべきだ」という考え方に対して、賛成する割合が少なかったのは未婚女性(69.6%)、20歳以下の男性(66.7%)である。結婚すると家事が大変だ、子育ては半端な労働ではない、といった否定的な情報が広がり、子供を持つことに対して、懐疑的な男女が増えてきているようである。そしてそこには「生まず嫌い」に陥っている現代女性像が見えてくる。
●ハイパー・シングル・シンドローム
少子化を招く大きな要因は、「晩婚化」と「未婚化」である。欧米諸国に比べて、婚外子の数が非常に少なく、結婚しないと子供を産まない傾向にある日本では、晩婚化が進んで、未婚率が高まると出生率に直接的な影響を与えることになる。 女性の一生をハードル競争にたとえると、51年〜73年の第1次少子化時代には、女性が結婚し、子供を二人生むまではそれほど障害がないのだが、三人目、四人目を生むところで経済的な理由から、ハードルが高くなる。ところが、1990年〜95年ではまず結婚するまでに大きなハードルができた。それをなんとか乗り越えても、一人目の子供を産むまでにさらに大きな障害がそびえている。「男女共同参画社会に関する世論調査」の結果では、国民の7割以上が、「人は結婚してもしなくてもどちらでもよい」と答えている。特に、30代の女性の場合は9割近くがこの考え方を肯定している。このように若い世代は「超結婚しない症候群(ハイパー・シングル・シンドローム)に陥っているのである。
一生独身で通す男性は学歴が低く、反対に女性は学歴が高いという結果がある。短大卒の女性が就職後第一子出産時に退職し、数年後に再就職する 場合、やめずに働きつづけた人に比べて賃金は約6300万円の損失になる。「結婚のコスト・オポチュニティ」が増加して、この面からも女性たちは結婚から遠ざかるようになってしまった。 学校を卒業して働いていても親元を離れず、自分の収入を自分のしたいことに使っている未婚の男女のことを「パラサイト・シングル」というが,実際に未婚女性の80%以上は親と同居している。その理由は「経済的に無理だから (40%)」、「親と一緒のほうが安心できる(40%)」、「家事などをやってもらえるから(30%)」などである。結婚前に親から独立している人 ほど結婚率が高いため、未婚者がいつまでも親と同居する傾向は、未婚か現象に拍車をかけることになる。 月刊誌「日経ウーマン」が実施したアンケートによると、結婚相手にいい男とは「年収700万で金銭感覚が同じで、妻を対等に扱ってくれる人」という条件が顕著だった。いい男がいないシンドロームに陥る女性を分析すると、女性側にも自己アイデンティティがなく、自己決定ができないという共通点がある。女性側にも自信がないのである。
●「魔法のランプ」を抱えた「バービー症候群」たち
「一人っ子だったら娘を望む」という人が過半数を占めている。未婚女性の多くは「お姫様」のように育てられ、「バービー人形」のように愛されてきた。家では何もせず、必要以上にものを与えられ、いつも着飾り、着せ替え人形状態だった娘たちが、結婚生活にそれ以上の幸せを求めているなら、それは無理というものである。
30代の母親の多くは消費市場をリードし、ブランド品を愛用してきた生活レベルをおとしてはいない。そして、そのブランド志向は子供をもブランド化するとう状態を生み出してしまう。ここでいうブランドとは、一流大学、一流企業に子供を入れるということであり、母親たちは教育に熱心になっていく。
少子化が子供の大脳に影響するという結果がある。大脳活動パターンは成長の順に�”坡菷�型(興奮過程・抑制過程がともに強くない)、��興奮型(興奮過程が優位)、�M淦�型(抑制過程が優位)、�い�っとり型(興奮過程・抑制過程ともによくバランスがとられているが、その切り替えが緩慢)�コ菷�型(興奮過程・抑制過程ともに強く、バランスが取れその切り替えが速い)、に分けられる。不活発型は幼児に多く、成長するにつれ「興奮型」、「抑制型」を経て次第に大人に近い「活発型」に移っていく。ところが69年には「興奮型」の子供のピークは小学生低学年だったものが79年になると小学校高学年へ、さらに98年では小学校6年生と中学一年生になった。前頭葉の発達が悪くなっているのである。少子化で子供を過保護に育てすぎていることが、子供の大脳活動を不完全にしてしまっているのである。人間関係をはぐくむことが苦手で、自主的で能動的な行動が取れない若者が増えてきている。
★J‐Coffee氏は統計学を駆使して,日本の人口の大激減を予想しており,興味深いので以下に紹介しておきたい。
●出生率1.29のもたらす日本の未来.120年後は人口約1800万
2003年に誕生した赤ちゃんは、約112万1000人で、前年より3万3000人も減りました。 2003年に一人の女性が一生の間に生む子供の数(合計特殊出生率)は、1.29人と最低記録を更新しました。 2002年は1.32人だったので、0.03人も減ったことになります。
女性が子供を産めるのは、15歳から49歳の間と統計上みなせるようです。
15歳の母親(中学生ではないか)が産んだ子供の数(X15)を、15歳の女性の数(Y15)で割り算して、15歳女性の出生率(P15)を計算する。
(P15)=(X15)÷(Y15)
16歳の母親が産んだ子供の数(X16)を、16歳の女性の数(Y16)で割り算して、16歳女性の出生率(P16)を計算する。
(P16)=(X16)÷(Y16)
・・・17歳から48歳まで計算する・・・・・・・・
49歳の母親(偉い!)が産んだ子供の数(X49)を、49歳の女性の数(Y49)で割り算して、49歳女性の出生率(P49)を計算する。
(P49)=(X49)÷(Y49)
合計特殊出生率=(P15)+(P16)+・・・・・+(P49)
合計特殊出生率は、2.08未満だと長期的に人口を維持できないとよく言われます。 2を超えた分は、子供を産み終わるまでの女性の死亡率に関連した数字。
さて、1.29が続くと、日本の人口は将来どうなるか?
女性が最も子供を産む確率が高いのは、25歳〜34歳です。
30歳になった女性だけが、1.29人の子供を産み、他の年齢の女性は子供を産まないと近似計算しても、人口予測の結果はそれほど変わらないでしょう。
30歳の女性が95万人いるとします。 生まれる女の子の数は
95万人×1.29×0.5=612,750人
さて、30年後 生存率を0.9615とすると30歳の女性の数は 612,750×0.9615=589,159人 つまり、62.02%に減ります。
60年後の30歳の女性は、38.46%の365,377人 90年後の30歳の女性は、23.85%の226,595人 120年後の30歳の女性は、14.79%の140,527人
他の年齢もほぼこの比率で減りますから、日本の人口(1億2000万人)は120年後(4世代後)には約1800万人ぐらいになるでしょう。
これだけ、人口が減っても、老人が若者に比べて多いので、年金問題が相変わらず深刻です。
●いったい、何故女性は、子供を産まなくなったのか
クリスマスイブが終わった12月25日、クリスマスケーキは、市場価値を失い安売りされます。不謹慎な話ですが、25才になった女性は、「ケーキのように嫁ぎ遅れると大変だ」と親から見合いを強制されたものです。
ところが、2003年において、全国平均の女性の初婚年齢は、27.6歳。 クリスマスケーキの話が通用した1975年の女性の初婚年齢は、24.7歳。 28年間で、2.9年も晩婚化が進んでいます。
25才で結婚する女性は、むしろ今日では早婚な方なのです。
女性は2〜3年間隔で子供を産みますから、晩婚化は合計特殊出生率の低下をもたらします。
合計特殊出生率は、全国平均1.29ですが、地域的にばらつきがあります。
低いのは、東京都1.0、京都1.15、奈良1.18です。
これらの地域は、女性の初婚年齢が高く、晩婚が進んでいます。
東京(28.7歳)、京都(27.8歳)、奈良(27.6歳)です。 三県の共通点は、都市部で、有名大学が多く存在する教育県です。
2003年度の大学進学率は、東京(45.9%、1位)、京都(44.1%、2位)、奈良(41.2%、6位) 反対に、合計特殊出生率が高いのは、沖縄1.72、福島1.54、鳥取1.53です。
女性の初婚年齢は、沖縄27.2歳、福島26.6歳、鳥取26.8歳です。 東京が晩婚のトップなら、福島は早婚のトップです。
大学進学率は、沖縄(24.6%46位)、福島(27.2%39位)、鳥取(26.9%43位) こんなことを書くと怒られそうですが、合計特殊出生率1.29をもたらした犯人像が浮かんできました・・・
大都市に住む女性。 高学歴で、豊かな家庭に育ち、結婚相手に妥協せず、独身志向。 仮に結婚しても高年齢で、仕事をやめない。 子供に対して教育熱心なあまり、教育費がかさみ1〜2人しか産もうとしない。
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