女の世紀を旅する
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| 2003年07月13日(日) |
《 熾烈な争いの中国携帯電話市場 》 |
《 熾烈な争いの中国携帯電話市場 》
2003年07月12日(土)日中ビジネス推進フォーラム 文 彬
中国市場は巨大である。果たして日本製携帯電話の中国市場進出での挽回はあるのか,注目すべきリポートなので,以下に紹介しておきたい。
●地位が脅かされる「4強」とローカル企業
米調査大手ガートナー社が発表した今年第一クォーター(2002年1月〜3月)の世界携帯電話販売統計によると、ノキアがシェア35%でトップを独走し、群雄のモトローラ(2位、14.7%)、サムスン電子(3位、10.5%)、シーメンス(4位、7.6%)、エリクソン(5位、4.8%)を大きくリードしている。(パナソニックモバイルが7位、NECが8位)
しかし、こと中国国内市場に限ってみれば、ノキア(諾基亜)はモトローラ(摩托羅拉)に対して逆に従属的な地位に甘んじているようである。昨年の年間販売シェア率を見ると、モトローラが25.8%で1位、ノキアは18.2%で2位である。(2002年の中国の携帯電話機生産台数は1億2700万台、前年比42%増)
これは、モトローラが今も中国市場に対する先制戦略の恩恵を受けていることを意味している。世界2位の大手携帯電話メーカーであるモトローラは、1992年、天津に会社を設立し、本腰を入れて携帯電話の大量生産に乗り出した。以降モトローラは中国市場では業界ナンバーワンの地位を不動のものにして今日に至っている。中国ではモトローラは携帯電話の代名詞のようにユーザーに親しまれてきた。そのため2002年、モトローラ中国の携帯電話の生産は3750万台と2年連続ノキアにトップを奪われたものの、販売は1872万台と依然王座を独占している。
しかし、中国国内における各社の販売台数推移を見ると、モトローラを含む海外メーカーが軒並み下降傾向を示している。対照的に中国産の販売シェア率は毎年ほぼ倍増のペースで急増している。そして、昨年度では中国ブランドはついにモトローラとノキアを抑えて約4割の市場を掌握するようになった。中国市場の「4強」と言われていた海外4大メーカーの地位がついに崩れたのである。
ローカル企業の中にバード社(波導、所在地:寧波市)のような巨大メーカーも出現した。中国国内での販売ペースでは、1位のモトローラ(1,972.4万台)、2位のノキア(1,134.74万台)に続いて、シーメンスとエリクソンを追い越して3位に上り詰めた(678.55万台)。今年、国産携帯電話の市場シェアは60%に、2004年には80%になるとも予測されているが、その中でバード社は年間販売台数を1500万台に引き上げると豪語している。
しかし製造台数から見れば、中国ブランドの合計もモトローラあるいはノキアを下回っている。海外輸出はわずか1%しかなく、「4強」と同日に語ることはできない。つまり、中国ブランドの市場は中国国内に限られてしまうということになる。その理由は主にブランド認知度にあると指摘されている。
例えば、ノキアが70%の市場シェアを占める東南アジアでは、中国ブランドは中国国内を下回るような価格設定にもかかわらず、消費者を惹きつける魅力がない。白物家電のように中国ブランドの携帯電話が海外市場を席捲する日はまだまだ遠いように思える。だが、ここで指摘すべきことは東南アジア市場で好調なノキアブランドの携帯電話の大半が中国で製造されているものだということである。
●国産ブランドが売れた理由
1999年、僅か5.5%だった国産ブランドの市場シェアが、3年後一気に40%近くも拡大した原因は何であろうか。市場アナリストの見方はおおよそ以下のようになっている。
�_燭茲蠅皺然覆龍チ萠蓮�数年前中国で「贅沢品」だった携帯電話が今では生活必需品となっている。モトローラなどのブランドものは依然人々の高級嗜好をそそるものだが、一般市民は「花より団子」と、実用性がある程度満足出来るものならば低価格のものを選ぶ。今、市場を出回っている3桁(1000元以下)端末はほぼ全て国産ブランドである。
�◆屮屮薀鵐瓶蝋ァ廖福嵒頁彳蓋�」)から「デザイン嗜好」(「機型導向」)への消費者心理の変化。家電やPCよりもモデルチェンジが速い携帯電話、一般消費者は品質よりもその外見と軽便さでものを選んでいることを一足早く察知したのは国産メーカーであった。技術や性能では負けるが、外見やデザインならば海外ブランドと戦う余地が大きい。例えば、バード社は昨年の一年間で「軽薄小」の折畳式携帯電話を20種類も市場に出した。「低価格、新デザイン」(「低価位、新款式」)戦略で消費者、中でも若者や農村部の消費者の流行をタイムリーに捕捉する国産メーカーはここでも海外ブランドに差をつけたのだ。
�C詫�を活用した流通とアフターサービスへの注力。販売後の国産ブランドの欠陥品回収率は海外ブランドの2倍だと言われている。品質ではまだまだ海外ブランドの比ではない。しかし、国産メーカーが長年築いてきた、農村部まで深入りした販売網と気の利いたアフターサービスはこれを補完することが出来た。市場シェアではベスト10に入るTCL社は、県クラスの既存販売網を利用し、販促とアフターサービスを展開している。また、多くのメーカーは大型小売チェーンストアと直接販売契約を結ぶことによって、市場との距離を最大限に短縮した。
また、国産メーカーが時には利益をぎりぎりまで下げて相手の信じられないほどの大幅値下げ要求に応じたことも珍しくない。「今は利益よりも市場だ」と国産メーカーのトップ達は口々に言う。
�す�告戦。韓国の人気歌手金喜善(キム・ヒソン)さんはそのチャーミングな笑顔で消費者を魅了させている。テレビコマーシャル、駅や高層ビルの屋外看板、彼女の姿はどこにも現れる。莫大な契約金を支払っているが、TCL社はこのため儲かったという。パンダ社はCCTV2003年のゴールデンタイムのコマーシャル権を競り落とし、自社製端末を大々的に宣伝している。しかし、膨大な広告費による企業への圧迫も無視できない。純利益が3%以下になったメーカーもある。すでに広告費は研究開発費を上回っている国産メーカーが多いが、携帯電話を巡る広告戦はまだ始まったばかりだと市場アナリストが見ている。
●出遅れの日本と,日本製にチャンス到来
80年代中ごろから、NEC、松下、富士通、沖電気、京セラなど日本を代表するメーカーがすでに中国での事業展開を模索していた。しかしその後、中国が採用したシステムはアナログではTDMA、デジタルではGSM、CDMAだったため、惜しくも商機を欧米勢に奪われ、家電のように大挙して中国全土に広がる場面はついに見ることができなかった。
しかし、日本の通信業の長い歴史、特に通信をサポートする基礎技術(マイクロエレクトロニクス、新材料、音声処理、精密機器製造など)では今も世界をリードしているし、これをもって日本企業が後発でも参入できると中国の同業者も見ている。
そもそも、昔も今も中国ブランドのコア技術のほとんどが海外のものであることにはなんら変わりない。それも近年は韓国と日本に頼るものが多い。2000年6月、中国はニンニクの輸入制限の報復措置として韓国の携帯電話部品の輸入を禁止した。いわゆる「ニンニク・携帯電話戦争」である。しかし、これによって国産機大手の中科健ら数社は生産ラインストップの危機に瀕していた。主要部品のほとんどは韓国からの輸入に依存していたからである。
昨年日本が発動した中国農産物に対するセーフガードに中国政府がまともに対抗しなかった時も同様の理由が背後にあるのである。近年中国政府の指導もあり、携帯電話部品の国産率は年々高まっているものの、その多くはコア技術と関係のない部品である。
実際に、2000年に入ってから日本勢の進出が目立ってきた。最初は新技術や新製品の実用化試験などの技術提携が多かったが、その後製造と販売に重心を移した企業も多くなってきた。例えば、三洋電機は1995年に中国の情報通信大手である中国普天と共同出資で会社を設立し、コードレス電話機の製造を行ってきたが、2001年12月からCDMA方式の携帯電話サービスの開始を宣言し、翌月から一部の地域で実施し始めた高速のCDMA2000 1xに対応した端末も生産するようになった。
三洋電機は年間150万台を目安とし、cdmaOne方式の端末生産で中国でのシェア上位3社入りを目指す計画である。
また、WTO加盟時の約束(コミット)により、2003年に入ってから携帯電話の輸入は課税対象から外れることになった。今年1月、深センせんとアモイで通関した輸入携帯電話はそれぞれ97.5万台(昨年同期の8・8倍)、11.8万台(昨年同期の24倍)となっている。具体的な統計数字は見当たらないが、日本製のカメラ付き携帯など、高性能端末も大量に上陸してきたと言われている。
そして今、話題となっている「小霊通」によって、日本企業の独占的なノウハウと技術がさらに活躍する舞台を得るようになってきた。「小霊通」とは「無線市内電話」であり、利用者は電話開設を行った都市内でしか受発信ができないという意味で日本のPHSと異なるが、基本的には日本のPHS関連技術が応用されている。
広東省から全国に広がった「小霊通」は、携帯電話の基本機能を持ちながら、約6分の1の通話料で利用できることによって爆発的な人気を博しており、つい先月北京市内でも解禁されたのである。
日本企業にとっては、ほとんどライバル不在の商機である。 すでに三菱電機、京セラ、三洋電機など、過去に日本のPHSで大活躍していたメーカーは動き始めた。「小霊通」はそのまま中国の携帯電話市場の勢力図を塗り替えかねないほどの衝撃力を持っていると見られている。そうなれば、後発の日本勢が中国で奇跡を起こすことも不可能ではない。
【資料】 ・「郵電月度統計資料」 中国情報産業部 ・「2002年、中国携帯電話の製造と販売に関する分析」 万暁東 中国情報産業部 ・「2002年、中国携帯電話機・部品産業の展望」 株式会社富士経済 ・「中国の携帯電話市場分析」 経済参考報 ・「中国の携帯電話市場がすごいコトになっている」 大門太郎 Mobile News Letter
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