ふうこの英国留学日記-その後

2002年01月21日(月) ねずみとり The Rat Catcher


今日は大学の構内での映画上映会へ足を運ぶ。

今日の映画は、The Ratcatcher ねずみとり とでも訳すのだろか。
ただ、大学でもらったチラシで最高の5つ星がついていたので、観にいったのだが、あまりにいい映画で驚いてしまった。イギリス北部のグラスゴーの貧しい集合住宅に住む12歳の少年が主人公なのだが、その風景が少年の心理描写となっていて、なんとも心を打つ。リアルなカメラワークと編集の妙。ゴミだらけの集合住宅を離れて、自由をもとめて、一人で出かける郊外の草原の美しいこと。近くを流れる川、空、女になっていく姉や妹。年上の少女への淡い思い。多くの人が、そうだ、自分も12歳のころ、世界はこんなふうに見えていたのだっけ、とせつなく思いだすのではないだろうか?

以前、村上龍が男が自由でいられるのは少年時代の数年だけだ(子ども時代は母に縛られ、大人になると女にしばられる)というようなことを言っていたが、これはそのわずかに自由な少年時代を丁寧にしかもリアルかつせつなく写しだすことに成功している。
言葉ではなく、映像で、少年の感じる自責や悲痛を描ききるのはまさに映画でしかできない芸当。このような映画を観ると、映画の力をあらためて思い知らされる。

監督はライン・ラムゼイというイギリスの女性監督。評判によると、この映画はケン・ローチの「ケス」以来の若手監督による最高傑作だとも言われているらしい。

製作は1999年イギリスとなっているが、いまだに日本では公開されていないように思う。「My Life as a Dog」のような映画が好きな人には、ぜひおすすめしたい一本。


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