R女王様の秘密のお部屋...Dr.R

 

 

踏んだり蹴ったり - 2004年05月13日(木)

まだまだ続く、イケてない話。つーか、どんどんヒドくなってまス…

点滴2戦2敗。スランプです。

総務から呼び出しがかかり何かと思ったら、B型肝炎の抗体が私にはないとのこと。学生時代に熱出しながらワクチン打ったのは何だったのでしょう。

午後は下部消化管内視鏡(所謂”大腸カメラ”です)の見学。その途中、助手をしていた先生が病棟に呼ばれてしまいまして…。何故か手が出ちゃいまして…。わたくし助手…。ベテランの先生もいらしたのに…(泣)

何が難しいかって、生検(カメラを見ながら組織を切り取って調べるのです)鉗子の扱い方。これが弾力のあるワイヤーで出来ているので、力加減や支える場所を間違えるとすぐびよよよよ〜んと撥ねるのです。

しかも恐ろしいことに、
術者(オーベンH先生)の顔に当たりそうな勢いで。


持つ場所角度力加減、オーベンがびよよよよ〜んを身をかわし避けながら教えてくださるのですが、もう全っ然ダメです…。コントロール不能。
た〜すけて〜〜〜!!
オーベンを感染の危機にさらし、散々でした。

落ち込みながら一旦医局に帰るとPHSが鳴りました。
6年目の上級医、Ue先生からです。
『先生、外科に回す患者さん一人持ってたやろ?入院カルテと外来カルテ持ってカンファレンス室に来て』


ああ!今日外科・放射線科との合同カンファレンスだったよ!!
つぅか、何でこんな大事なこと忘れてたんだ私のバカバカっ。


病棟からカルテを抱え全速力で階段を駆け降り、カンファレンス室へ入ると既にカンファは始まっていました。

すぐに私の患者さんの番が回ってきたのですが、何せ急なもので頭真っ白。よれよれのめろめろになってしまい、結局Ue先生@プレゼン上手にフォローされる始末。悔しすぎます〜(号泣)!
私は情けなくも外科の先生方の質問にちょこちょこと答えるのみ。

※この患者さんは残胃癌と言って、一度癌で手術した残りの胃からさらに癌が出てきてしまった、という状態でした。条件が良ければ、もう一度手術をして癌を取り除くことができます。

『それで、この方は元気なの?』

―――…ぜ、全身状態は良いと思われます。転移もありません…

すると突然、カルテを見ていた他の外科の先生がハッとしたように

↑押すと続きが読めるのです。

凍り付く私。
全身から血の気が引くのが自分でも良く分かりました。

これでは手術が出来ない。

『これは手術適応なしだね』
『年齢も年齢(その患者さんは相当のご高齢だったのです)だしなあ』
『保留ってことで』

エコーには写らない、微小な転移の影。CTの結果はカンファの直前、カルテに挟まれていました。もっと早く画像Webで見ておけば良かった!と思っても後の祭り。さらに悪いことに、実はオーベンH先生もCTを見るのをうっかり忘れておられたようで、患者さんへの説明を変更しなくてはいけなくなってしまいました。

H先生のキャラも手伝って、解りやすく前向きな言葉でしたが、本当は厳しい、辛い、悲しいムンテラです。二度とこんな間違いを起こしてはいけないと、深く深く反省。そうするしか出来ませんでした。

ナース・ステーションへ戻って、その日の指示を出しカルテを書きながら

『私なんか医者になっちゃいけなかったかなぁ』

とひとりごちていたら、近くにいた看護師さん(先日の”のり”の件で大爆笑した彼女です)がこう言ってくれました。

『わたし、レイナ先生みたいな先生、好きですよ』

本当に、嬉しかったです。たとえ嘘でも。ありがとう。頑張るわ。




...




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