29号の日記
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2004年11月23日(火) 堆肥

 「禹門」(注1)背後の丘の上に聳える磯プリ(注2)ホテル。
その敷地の一角に、「横浜市内最大級の売り場面積の園芸・ガーデニング店」があることを、新聞折込チラシで初めて知ったので、行ってみた。

 しばらく以前から、亜熱帯植物「へご」を部屋に置いて、亜熱帯生活を楽しもうという魂胆だった。屋外でも氷点下になることは稀な亜熱帯都市横浜。室内が氷点下になることは絶対にないどころか、5℃を下回ることもないだろうから、まさにうってつけだろう。
 「へご」とは一見、やしの木みたいな奴だが、それでいてシダ植物というというアレである。イメージが分からない人は、恐竜のイラストの背景によく描かれている巨大な木性シダ植物を思い浮かべて欲しい。

 しかし、残念ながら、その、「横浜最大級」を歌う園芸店の隅から隅までチェックしても、「へご」は見つからなかった。そのチェックの過程で、屋外売り場の隅に、かご付台車が2台あるのを見つけた。
 かご付台車には、無造作に積み重ねられた花の苗があった。それは、買い取られることなく盛りを過ぎ、商品価値がなくなった花が辿る、心痛む光景だった。生き物なのに、まるでモノ扱い。

 バイトと思われる若い店員に声をかけてみた。
「ここに無造作に積まれている花って、捨ててしまうんですよね。だったらくれませんか?」

 店員の返事は、マニュアル通りの味気ないものだった。
「当店ではそうしたことは行なっておりません。これらは生産者の元に戻されます。捨てるわけではありません。」

 きっと堆肥にでもなるのだろう。いずれにせよこれらの花に「生」という可能性はない。目当ての「へご」もなかったし、もうここの店には用はない。俺は
「そうですか。お忙しいところ失礼しました。」
と言って店を後にした。
 

(注1)根岸線磯子駅入口前の国道16号線を言う。ホームページ本文内「29号の辞書」参照。
(注2)磯子プリンスホテル


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