日日雑記
emi



 刷り込まれマンガ

大島弓子さんの作品で『シンジラレネイション』というのがあります。前歯のすきっ歯を気にして笑わない女の子に振り回される男の子のお話でした。

大島さんご自身の作品解説によると「?」はクエスチョン、「!」はエクスクラメーション、「!!」はブッタマゲーションorビックラゲーション、そして「!?」がシンジラレネイションなのだそうです。マンガのネームや日記で「!?」を書くとき、いつも思い出すエピソードです。

少し前に余所さまのBBSで萩尾望都さんの『ケーキ、ケーキ、ケーキ』が話題になっていました。クリスマスが近いこともあって、みなさんケーキのお手作りに余念がないご様子。

この『ケーキ、ケーキ、ケーキ』は萩尾さんの初期の作品で、たぶん初めての原作付きだったと思います。
塩崎家に三人目の女の子が生まれ両親は「長女は文学、次女は音楽、三女は美術を勉強させて将来は芸術家三姉妹にしよう!」と決心。しかし三女のカナちゃんは絵を描くよりお菓子を食べることに夢中で、結果パリで菓子職人の見習いを始めるというお話でした。

初出は大阪万博の年、なかよしの9、10月号の別冊付録(でしたのよ、いしかわサン!/笑い)。夏休みに家族旅行に出かけたとき、寝台車中で退屈しないように偶然買い与えられたなかよしの付録が、萩尾さんとの初対面でした。

とにかく今まで読んだ少女マンガと絵柄が全然違うのに驚きました。特に足のキレイなことったら!更にケーキといえばイチゴののったショートケーキが記号的に描かれていた時代にあって、様々なお菓子を描き分ける技術に子ども心にも圧倒されたのを覚えています。

その後も萩尾さんの作品には度肝を抜かれっぱなしですが、この『ケーキ、ケーキ、ケーキ』は今でもケーキにフォークを当てるとき必ず思い出す懐かしい作品です。

2004年12月09日(木)
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