diary of radio pollution
Diary indexpastwill


2012年04月09日(月) 花見

ここまで充実した花見があっただろうか。

休日ということで、数ヶ月に一度会う友人を誘って花見に出かける。待ち合わせは、市ヶ谷。ここへ来ると、どうしても昭和45年を想う。

向かう電車は手前の四谷で不通になる。仕方なしに、線路沿いを歩いて市ヶ谷へ。早速、桜並木を堪能する。

友人と合流。久々の再会。容姿と片手に持つコーラに、米国人が来た、と突っ込まれる。近況報告をしながら、靖国へ向けて歩き出す。

靖国の桜は、感慨深い。今の自分よりも若い青年達が、二度と見ることなく散った桜。現世において、ここの桜は賑わいとは裏腹に、佇まいは哀愁と勇ましさが漂う。

入学式が行われていた武道館を抜け、皇居へ。せっかくなので、皇居を一周することにする。完璧な快晴。肌を射す光が、照りつける。国立劇場、最高裁、国会議事堂、警視庁、丸の内の高層ビル群を横目に一ツ橋まで。以前なら、こういった数々の東京らしい建物も旅人の目線で見えていたが、今となっては、特別目新しくも映らず、東京の人になったのだと感じる。

神保町へ移動し、昼過ぎの蕎麦屋へ。だし巻と日本酒、と昼間から始まりそうだったが、昼メニューでそれらは無く、ただ、せいろを食す。そして、食後の珈琲を飲みに、喫茶店へ。互いに、土産交換。

夕刻前、本日の酒場を探してふらふらしてみるものの、神保町には見当たらず。とりあえず、新宿方面へ向けて歩き出す。

靖国、市ヶ谷と歩き、そこからは桜に導かれ、裏道へ。人生で二度と歩かないような路地を通り、とにかく西へ。東京は、桜の多い都市。歩いていれば至る所で、桜が風に踊る。

話をしていると時間と距離は短いもので、結局、新宿まで歩いてしまう。乾燥した一日だったので、喉はからから。今宵の酒場を求めて、うろちょろ。

基本的に、この会の趣旨は、最後は大衆居酒屋へ、というのがテーマ。友人の記憶の新宿も変わり果て、行く当てもなく、とりあえず思い出横丁へ。適当に店に入ったが、どうもしっくりこない。横丁全体が、観光地のような雰囲気。以前は、もう少し求めていた感じがあったような気がするが、今は微塵もない。即行で、店を変えることにする。

東口、西口とぶらり歩くが、目に付くのは、チェーン店の看板ばかり。ここは、新たな領域へ、ということで、南口へと向かう。適当に歩いてすぐ、期待大の雰囲気の看板を見つける。いざ入ると、そこには年配のサラリーマンしかいなかった。これは、正解を引き当てたか、と席に着くと、女将らしき女性が話しかけてくる。そう、値段も店の感じも、理想だった。

帰り掛け、女将と小話。店自体は39年間営業、女将は29年間この店で働いている、とのこと。友人と二人で感服する。人生の半分ほどを過ごす店。残念ながら、若造には想像もつかない。またいらっしゃい、と女将の優しい心遣いを後に、人でごった返す新宿駅にて友人と別れた。

昼は桜を眺め、夜は酒に浸る。東京の春。

koji


radio pollution