からっぽの頭 - 2003年11月04日(火)
なぁ〜んにも入ってこない。
こんな自分を心配してくれる人がいる事は 分かっているのにな。 分かってないんだな。きっと。
「この血のついたタオルはなんなの?!」
あれ・・・? 片づけたはずだったのになぁ・・・。 あ・・・そっか。 ほんの2滴くらい染みついたタオルはそのままにしちゃったんだっけ。 一応裏にしといたつもりが見つかったか。
「切ったんじゃないでしょーねっ!! ◯理なの!? どっち!!」
切ったなんて言うわけないじゃん・・・。 そうじゃない方だって、そんなもん置いておくわけないじゃん。 洗うに決まってんでしょうが。
ほんとに突然 襲われたんだ。 何も頭になかった。(もういいや・・・)とだけ思ったような 思ってもいなかったような・・・。 誰かを思い浮かべるなんてなかった。 思ったより深かったみたいでタオルを2枚ぐるぐる巻いて そのまま眠りについた。 痛くもなんともなかった。かえって・・・よく眠れてた気がする。 ふと枕元にあった携帯にメールが入って目を覚ます。 (あれ? なんか冷たい) 着ていたパジャマは私の中から流れ出た絵の具で 重くなっていた。上半身ほぼ・・・。 腕のタオルをとると、まだ勢いは納まらずに絵の具は流れていた。 よく、死を前にすると怖くもなく気持ち良かったりするときく。 (あぁ・・・私はもしかして その状態? ) そんな事を思った。 でも、死を選ぶ事は今の自分には許されない。 朦朧としながら、着替え、傷を押さえ。又、眠ってしまった。 今度は絵の具が止まるよう腕を高くして・・・。
2時間はたっただろうか。家族も帰宅してて見つかるわけにはいかないから そっと「ちょっとコンビニ!」と嘘言って医者に行った。 私が、こんな事をし始めて何度目かの時から お世話になってる先生。 小さな街医者だけど、看護婦さんも家族の人も (奥さんは受付で、娘さん2人のうち1人は看護婦さん) 患者に優しい。今は週末だけ手伝いに来るという看護婦の娘さんは それはそれは優しくて、私は彼女に言った事がある。 「先生が精神科もやってたらいいのに」と。 医者だけれども、医者らしくない(失礼な例えだけど) 患者が安心する場所なのだ。数人いる看護婦さんも常に優しくて気さく。 そんな先生に診てもらうたび涙がでる思いでいっぱいになる。 なのに。 繰り返してしまう私は、なんだろう? 得体のしれない怪物みたいだ。 先生いわく切ってから眠りについた事が 致命傷になりかねなかったというくらい、今回は深かったようだ。 動脈に達してたんだろうか・・・? いや、でもそれなら もう今ここにはいないだろう。 「あまり、無茶しないでね」 先生は言った。看護婦さんも静かに笑顔を向けてくれた。
友人も仕事の合間に、わざわざ家まで来てくれた。 (医者に行ってたから擦れ違いだったけど) 疲れてるはずなのに。 別の友人も仕事の合間に連絡をくれてた。 それでも。 私は頭の中がからっぽのままだ。 本当に・・・時間や沢山の問題に縛られずに眠りたい。 死ではなく、眠りたい。 自分の中の何かが、一つでも修理できるまで。 次の休みも、その次も・・・もう自分の為ではない予定が 詰まっている。甘いと言われるだろう。 でも私は「私の為の」時間が欲しい。 常にパンク寸前の自分を解放してやりたい・・・。 気持ちここにあらずの自分。誰とも接触したくない自分。 それが今の自分。 ・・・・負けないけどね・・・・
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