出向コージ苑

2004年10月01日(金) ナブッコ

今日は3人でオペラ(夫含む)。
後一人?
エンジェル先生ですとも。悪いか。
どうせ「あら、東洋人の親子。三人ともメガネ」とか思われてんだ。

演目はベルディ「ナブッコ」。
ゲーム会社かよ(またしてもおっさんユーモア)と思っていたら、
ネブカドネザル二世の事だったらしい。
旧約聖書に載ってる話だそうだ。

※※※※※

時は紀元前六世紀、
バビロニア王のナブッコには、二人の娘がいた。
お姉さんはアビガイッレ、妹はフェネーナ。

…世界に色んな名まえがあるのは分る。
分るけど、歌手がいかにも歌いづらそうなんですけど、この名前。
まあいいや、とにかく娘が二人。
よくあるパターンで、姉は気が強く、妹は心優しい。
アビガイッレは、実は奴隷の子。
フェネーナは、現在エルサレムに人質にとられている。

娘が人質になっているにも関わらず、
強気のナブッコ父さんは、エルサレム侵攻を目論む。
大騒ぎするエルサレムの民衆に対し、
神官ザカーリアは「人質がいるから大丈夫」となだめる。

「アイーダ」と同じく、
フェネーナもエルサレムに恋人ができる。
神官ザカーリアの甥(←微妙)、イズマエーレである。
ところが、姉のアビガイッレも彼に恋していた…
というのも良くあるパターン。
兵を率いてエルサレムに乗り込んできたアビガイッレは、
「私を愛するなら助けよう」とイズマエーレに迫る。
脅迫しないと男がなびかないと知っているだけに、
このお姉さんはハナから高圧的である。

しかし、イズマエーレは怖い女が苦手だったようで、
すげなくこの申し出を拒否、
アビガイッレが怒り心頭に達した時、
ナブッコ王登場。
登場しただけならまだしも、
ユダヤの神を侮辱したから、神官ザカーリアが激怒した。
うかつに宗教に踏み込んじゃいかんというのに、
この王様は、そんなこと全然気にしてないんだから困ったものだ。

ザカーリアはフェネーナに短剣を突きつけるが、
イズマエーレに止められ、あえなく敗退。
ナブッコはユダヤの民を捕虜とし、バビロンへ連行する。

鼻高々のナブッコ父さんは、
こうなったらもう止まらない。
「私は王ではない、神だ」とか言っちゃったもんだから、
厳しいユダヤの神様が怒って、
彼の頭上に雷を落とし、
ナブッコは精神錯乱状態に陥ってしまう。

一方、恋に破れたアビガイッレは悔しくてしょうがない。
おかしくなってしまった父親をだまして、
改宗したフェネーナとユダヤ人の処刑を承諾させ、
さらに父親を監禁して、自分が王位につこうと画策する。
処刑前夜、ユダヤの民は故郷を想い、
イタリア第二の国歌とも言われる、
「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」を大合唱。

フェネーナとユダヤ人の処刑直前、
奇跡が起こり、ナブッコが正気に戻る。
エホバの神に許しを乞い、偶像を破壊して、彼らを救出する。
喜ぶ一同のもとに、大怪我を負ったアビガイッレが登場。
父と妹にわびつつ、息をひきとる。
神官ザカーリアは一部始終を見届け、
ナブッコを「王の中の王」と称える。

※※※※※

L国ナショナルオペラの「売り」は、
どうやら「アイーダ」と、この「ナブッコ」らしい。
オリエントに強烈な思い入れでもあるんだろうか。
他のオペラ、例えば一昨日の「椿姫」と比べても、
セットの気合いの入れ方が断然違うのだ。
ここのオペラは「カルメン」も良いが、
これはどちらかというと、演出と解釈が斬新という点で際立っている。

L国旅行の際、オペラ鑑賞もという方は、
ここら辺を狙うと満足する…かも。


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