今日は3人でオペラ(夫含む)。 後一人? エンジェル先生ですとも。悪いか。 どうせ「あら、東洋人の親子。三人ともメガネ」とか思われてんだ。
演目はベルディ「ナブッコ」。 ゲーム会社かよ(またしてもおっさんユーモア)と思っていたら、 ネブカドネザル二世の事だったらしい。 旧約聖書に載ってる話だそうだ。
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時は紀元前六世紀、 バビロニア王のナブッコには、二人の娘がいた。 お姉さんはアビガイッレ、妹はフェネーナ。
…世界に色んな名まえがあるのは分る。 分るけど、歌手がいかにも歌いづらそうなんですけど、この名前。 まあいいや、とにかく娘が二人。 よくあるパターンで、姉は気が強く、妹は心優しい。 アビガイッレは、実は奴隷の子。 フェネーナは、現在エルサレムに人質にとられている。
娘が人質になっているにも関わらず、 強気のナブッコ父さんは、エルサレム侵攻を目論む。 大騒ぎするエルサレムの民衆に対し、 神官ザカーリアは「人質がいるから大丈夫」となだめる。
「アイーダ」と同じく、 フェネーナもエルサレムに恋人ができる。 神官ザカーリアの甥(←微妙)、イズマエーレである。 ところが、姉のアビガイッレも彼に恋していた… というのも良くあるパターン。 兵を率いてエルサレムに乗り込んできたアビガイッレは、 「私を愛するなら助けよう」とイズマエーレに迫る。 脅迫しないと男がなびかないと知っているだけに、 このお姉さんはハナから高圧的である。
しかし、イズマエーレは怖い女が苦手だったようで、 すげなくこの申し出を拒否、 アビガイッレが怒り心頭に達した時、 ナブッコ王登場。 登場しただけならまだしも、 ユダヤの神を侮辱したから、神官ザカーリアが激怒した。 うかつに宗教に踏み込んじゃいかんというのに、 この王様は、そんなこと全然気にしてないんだから困ったものだ。
ザカーリアはフェネーナに短剣を突きつけるが、 イズマエーレに止められ、あえなく敗退。 ナブッコはユダヤの民を捕虜とし、バビロンへ連行する。
鼻高々のナブッコ父さんは、 こうなったらもう止まらない。 「私は王ではない、神だ」とか言っちゃったもんだから、 厳しいユダヤの神様が怒って、 彼の頭上に雷を落とし、 ナブッコは精神錯乱状態に陥ってしまう。
一方、恋に破れたアビガイッレは悔しくてしょうがない。 おかしくなってしまった父親をだまして、 改宗したフェネーナとユダヤ人の処刑を承諾させ、 さらに父親を監禁して、自分が王位につこうと画策する。 処刑前夜、ユダヤの民は故郷を想い、 イタリア第二の国歌とも言われる、 「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」を大合唱。
フェネーナとユダヤ人の処刑直前、 奇跡が起こり、ナブッコが正気に戻る。 エホバの神に許しを乞い、偶像を破壊して、彼らを救出する。 喜ぶ一同のもとに、大怪我を負ったアビガイッレが登場。 父と妹にわびつつ、息をひきとる。 神官ザカーリアは一部始終を見届け、 ナブッコを「王の中の王」と称える。
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L国ナショナルオペラの「売り」は、 どうやら「アイーダ」と、この「ナブッコ」らしい。 オリエントに強烈な思い入れでもあるんだろうか。 他のオペラ、例えば一昨日の「椿姫」と比べても、 セットの気合いの入れ方が断然違うのだ。 ここのオペラは「カルメン」も良いが、 これはどちらかというと、演出と解釈が斬新という点で際立っている。
L国旅行の際、オペラ鑑賞もという方は、 ここら辺を狙うと満足する…かも。
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