ロンドンロイヤルフィルのコンサートに行くというので、 開演30分前にフレンチ嬢と学校で待ち合わせることに。 顔と服を「夜のお出かけ」モードに変え、 コージ苑、大学に到着。
「フレンチ先生、そろそろ行きませんか〜」 「はぁ〜い」
※※※※※
ここでフレンチ嬢の性質について、 若干の説明をしておく必要があるだろう。 彼女、長年フランスに住んでいた「のに」 (それとも「から」か、その辺コージ苑には分らない)、 超マイペースなオンナである。
例えば昼食に行く時。 こちらがコートを羽織り、手袋をはめて振り返ると、 彼女はやっとスカーフを首に巻いたところである。 そしてコートを着、メガネをかけ、 帽子の前後を確認した後にかぶり、 手袋を手に持ち、カバンを開け、そして閉め、 やっとのことで「お待たせしました〜」となる。
しかし外に出た瞬間、 「あ、メガネを〜」←フェードアウト …忘れ物も多い彼女である。
※※※※※
そして今日。
「そろそろ行きましょう」 「はぁーい」 ・ ・ ・ 「フレンチ先生?どうしました?」 「鍵が、鍵がぁ〜」
ないらしい。 ただの鍵ではない、大学に出入りする鍵である。 もし無くしたなんてことになった場合、 学科の全ての鍵をつけかえ、なんてことにもなりかねない。 さすがに慌ててそこら中をひっくり返し、 まさかと思いつつ「よくやっちゃうの〜」と彼女が言うので、 ごみ箱の中から冷蔵庫まで探してみたが、 やはり見つからない。
もはやコンサートどころの話ではない。
聞けばフレンチ嬢、 今朝自宅を出てから鍵を見ていないということなので、 一応家に戻って確認したら、という話になった。 しかし、鍵を閉められない以上、 大学には誰かが残らなければならない。 誰かとは、この場合コージ苑である。
そして30分後、電話が鳴った。 「もしもし〜、あったの〜」とフレンチ嬢。
「よかった!どこにあったんですか?」 「家の鍵穴〜」
自宅を出た時に鍵を閉めたのはいいが、 鍵穴に差し込んだまま出てきてしまったらしい。 泥棒に入られなかったのは奇跡である。
もう戻っても間に合わないから私は行かないけれど、 コージ苑さんはどうぞ、と言われたので、 一曲目は逃したが、コンサート会場へ向かった。 ちょうど休憩中で、ロビーにいたCSB先生と落ち合えた。 事情を説明し、気付けにカクテルを飲んで、 やっと一息ついたコージ苑。 隣でCSB先生とその娘さん、呆れつつ爆笑。
フレンチ嬢。 楽しい人である。
|