世の中にはなんと言うか、慢性的に「ついてない」人がいる。 石を蹴ったら5回に1回は電柱に当たって自分の頭に跳ね返り、 5回に1回はドブに落ちてスーツに泥が跳ね返り、 5回に1回は犬に当たって追いかけられ、 5回に1回はヤのつく怖い人に当たって追いかけられるような人。 レストランに数多くの友人と入っても、 何故かかれの注文だけ無視されたり、 料理がきても間違っていたり。 そして友人はこう言うのだ。 「お約束だよね〜」
今日、コージ苑はエンジェル先生、七味屋氏と中華料理を食べに行った。 まずは飲み物ということで、 エンジェル先生はオレンジジュース、他の二人はビール。 担当のウエイトレスさんは、どうやら新人さんで、 注文を聞き取る様も覚束ない。
飲み物が来た。 銀製のトレイにビール瓶とジュースが入ったグラスを乗せ、 彼女は用心しいしいやって来た。 そしてうやうやしく、ビール瓶を七味屋氏の前に…
あ、と思った瞬間、ことは起きていた。
ジュースのグラスが見事に倒れて、 オレンジジュースが七味屋氏のスーツにバシャー、である。 それはもう、絵に描いたような軌跡でバシャー、である。
慌てる新人ウエイトレス。 動転するあまりに、七味屋氏の服を気遣うより先に、 テーブルを気遣う始末である。 恥かしいのか、両頬を押さえて彼女が立ち去った後には、 爽やかな柑橘系の香りが残った。
七味屋氏。 彼も慢性的についてない人間なのだ。 お気の毒だが、「お約束だよね」としか、コージ苑は言い様がない。 ぷぷ。
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田辺聖子『源氏物語の男達』講談社文庫 夕顔はどうだとか、紫の上はこうだとか、 源氏物語に登場する女性は、色んな形で分析される事が多い。 しかし男性はどうなのよ?という視点に立ったのがこの本。 取り上げられているのは光源氏とその息子、夕霧の二人である。 書き手が女性だからこそ、このオトコ達に対する批評も、 手厳しいかと思うと、突然点が甘くなることもあるのだろう。 筆者は光源氏を美化せず、ましてや神格化もせず、 ひたすら一人の男性として扱っている。 中年になってからの彼のみっともなさの現れも容赦せず、書く。 だからこそと言おうか、 読んだ後は却って「源氏カッコいいよ」となってしまうのだ。
塩野七生『ローマ人の物語1 ローマは一日にして成らず上』新潮文庫 こういう類の本は、まとめて読む時間が取れそうな時に読むべし。 1、2あたりは再読なんだけど、どうせ忘れているからいいのだ(笑)
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