評判のトルコ料理屋があると、 同僚の先生が夕食を予約してくれた。 講座のメンバーがそろって出かける。
このレストランの最大の売りは、ベリーダンスのショーである。 料理はもちろんおいしいが、 セクシーなお姉さんのセクシーなダンスを目当てに、 市内各地から席の予約が殺到する。 おかげで、改装してからこっち、ほぼ連日満席だそうだ。
店の内装は、もちろんトルコ風。 座席も低くしつらえており、日本人には嬉しい座り心地である。 食前酒から前菜、メイン、デザートまで、 注文は主にベケ教授にお任せして、 私たちは運ばれてきた料理をひたすら賞味。 特に、スウェーデンで粗食を強いられていたコージ苑にとっては、 まるで王侯貴族の夕食であるかのように思えたのだった。
そして、店内の音楽が一段と大きくなり、 照明がぐんと落とされると、 お待ちかねのベリーダンスショーが始まった。 奥から出てきたのは、濃い茶色の髪を波打たせ、 色鮮やかな衣装をつけた、小柄なお姉さん。 おお、腰の動きがいかにもベリーダンス。
「きれいなお姉さん」が大好きなぶっひー嬢などは、 既に料理そっちのけで、食い入る様に見ている。 はっきり言って、ぶっひー嬢を見ている方が楽しい。 途中、音響のトラブルで、数度ダンスが中断したが、 その時に彼女が発したブーイングは本気だった。
ショーも終盤に入ると、 ダンサーは客席から適当な人間を誘って、踊るよう促す。 あちらのグループからは、いかにも宴会部長のお兄さん、 こちらの席からは、結構ノリのいい女の人。 そして、我が講座からは大物、ベケ教授が呼ばれたのだ。 迷いも見せずに立ち上がった教授は、 世にも怪しい踊りを披露して、 店中の客に大受けしたのだった。 「あれはしばらく夢に出てくる」とは、 ある同僚の先生のコメントである。
最後のトルコ風コーヒーまで堪能して、 4時間に及ぶ夕食会はお開きになった。 おいしいご飯に楽しいおしゃべりは、いつだって大歓迎なのである。
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