秋からのコージ苑の在住地となるラトビアでは、早くも秋風が吹いてきているそうだ。 8月の終わりともなると、そこは既に日本の晩秋。 レースだのジョーゼットだの着ている場合ではないのだ。
で、冬物(じゃなければせめて秋物)を多少揃えて行こう、ということになったのだが、 この残暑厳しい日本は九州で、今頃そんなもの売っているわけがない。 ウールなんか、触っただけであせもが出来るんじゃないかって位の気温なのだ。 はっきり言って、考えるだけでも鬱陶しい。
母と色々話し合った結果、オートクチュールにしようということになった。 すげー。 といっても、ジバンシィやらシャネルやらハナエモリ(笑)やらで頼むわけではなく、 洋裁の得意な叔母に依頼するのだ。 というわけで、午後に待ち合わせて、三人で布地を見に行く。
大分市内を突っ切る形でたどり着いたのは「はぎれや」という名前の端布屋。 店内所狭しと積まれた布地を見てまわる。 冬物はここでも、ワゴンの下段に束ねて追いやられていた。 三人して芋掘りでもする様な姿勢で物色していると、 店長さんがやってきて、事情を聞いた後で布地選びを手伝ってくださった。 「こんなのどうでしょう」と出してきたのは、ワインレッドのカシミヤ地。 1メートルに満たない位の、まさに端布なので、ストールにしようという話になる。 他にもあるはずだ、というので気合を入れて探してみる。 しかし、そう簡単に見つかるわけがなく、半ば諦めかけてカシミヤ「混」など選んでいたら、 (それだって良い手触りなのである) ひょいとしゃがんだコージ苑の目の前に、ちょろりと出ている布地の端。 …みーつけた、カシミヤ100%。 しかも3メートル。 言葉どおり、布の山の中から掘り出してみると、とっても綺麗な黒。 愛い奴じゃ、一緒にバルトの国へ旅立とう。
話し合いの結果、濃い紫のロングキュロット(機内用)、黒のワンピーススーツ、 赤のストールを作ってもらうことにした。 出来上がりが楽しみ♪
しかし、どこからそれを着るかという問題が… 成田もさぞかし暑かろう。
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