どどっどどどっど(風の又三郎かい)どうにかできましたよ!
や っ つ け 不破誕SSが(をい)!!
今年はホント無理かと思った…。 サイト自体はほぼ凍結状態ですし(現在進行形<ジャンピング土下座)。 オフ会企画とアンソロ参加と誕生日企画参加を一つずつ。あと他ジャンル(ぶっちゃけ庭球ですが<言っちゃった☆)のゲス原稿を一つ。 …それだけですね、今年遂行できたの。とほほ(汗)。 日記さえも更新できずに済みませんでした(ぺこり)。 ホント味気のない東屋ですが、お気にかけていただいてとても嬉しく思います(多謝)v
でもまだ愛はあるのよ〜vv 激しい愛情、というより穏やかな愛情になったと感じています。 来年はどんな愛情になるのかな?
そんなマイペース絶好調な東屋と管理人ですが、今年もお世話になりました(ぺこり)。 ささやかながらのお礼を込めて(でも推敲ナッシン<待て)、一発勝負の不破誕SSを書かせていただきました。
あ、もう出なければ。 慌しい挨拶で申し訳ございませんが、それでは「よい不破を!」♪
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「……」 「“……”じゃねぇっつってんだろ。電話なんだから何か言えよ。毎回同じ事言わせるんじゃねぇ」 「む、携帯にお前の名前が表示されているのだから別に構わんだろう。…お前が掛け間違えている場合を除いて、だがな」 「てめぇ…」 スポーツマンらしい肺活量を誇示するが如く、盛大な呼気を排出した三上は気を取り直して漆黒の髪を掻き揚げた。 「今、家に居るんだな?」 「そうだ。そもそもお前が居るように言ったのではないか。忘れたのか?」 知己を得てから7年目だが、それでも相変わらずの口調に改めて脱力する。 「んな訳ねぇだろ。とっとと出て来い」 寒気で乾燥した口唇を開いて言い捨てる。携帯の通話を打ち切ると、見慣れたもののどうしてもそのセンスを疑ってしまう奇妙な窓からシルエットが消えたのが見えた。
そう、7年目にして初めて三上はこの日の不破を確保したのだ。 ハイブリッド街路灯の下、寒気に身体を震わせて家人が玄関の鍵を開けるのを待つ。 実際には三上の虹彩は登録されているので、最先端のバイオメトリクス(生体認証)技術を取り入れた鍵を外すことも出来るのだが、そういう礼儀に関しては堅守する。 それは寮生活で培われただけではなく、本来の性格が為せるのだ。ぞんざいな挙動が目立つ三上だが、礼儀正しい一面も持っている。礼儀の存在は知ってはいても、実態にはとことん疎い不破にとっては興味深い指摘もあるのだ。
最初の年は上水の連中と二年参り、翌年は流石に受験だからと気を遣ったら進学先である黒須学園を統べる若き総帥に連れまわされ、更に翌年はお節料理教室だとかで渋沢の個人授業。 その次は椎名宅での天皇杯歴代決勝戦ビデオ鑑賞会とやらだったし、天城とのチャットで半日を費やした年もあった。 過去の敗退振りを想起して、眉間の皺を深くした三上の鼓膜に小さな電子音が届く。続いて開かれた扉の向こうにはブルーグレイのニットとブラックジーンズに身を包んだ不破が居た。 「おう」 軽く左手を上げて挨拶をする三上に、同程度の首肯を返す不破。 「どうぞ、だ」 今年も家人は留守らしく、人の気配がない框を後にする。案内されるまでもなく知っている目的地へと歩を進めた。
もうすっかり手に馴染んだマグカップでキリマンジャロを口に含む。夜気で凍えた身体をゆっくりと弛緩させる。 「ほらよ」 ふう、と人心地ついた三上が無造作に不破にある物を投げ渡した。 淡い紫色の半透明の袋にラッピングされたそれは、不破の顔面よりやや大きい物だった。 どこか覚えのあるその形状に小首を傾げつつ開封する。 「……ぬ」 軽く瞠目する不破。 それは、2006年ワールドカップ仕様のサッカーボールだった。 嘗てない斬新なデザインで話題を呼んだが、やはり眼前にすると違和感を感じる。更に注視し、検証を開始する。 そんなLANと化した不破の外耳に大仰な嘆息が届いた。 「何か言うことはないのか、あぁん?」 相変わらずの仏頂面に対し、鉄面皮が凪のような声音で応じた。 「何か、とは何だ?」 何度目だろう溜息をつくと、立てた右膝の上に頬杖をついた三上はご丁寧に解説してやった。 「“何か”ってのはよ、“誕生日プレゼントを貰ったヤツがいう言葉”ってやつだよ。これでもまだ解らんなら更に説明してやろうか?」 甘やかなテノールに遠雷を孕んで言い放てば、繊妍なラインを描く顎に拳を当てていた不破が両腕を組む。 「ぬぅ、それ位は解るぞ。“ありがとう”だ」
何でこんな偉そうに礼を言われなきゃならねぇんだ…。
居丈高、という態度に於いては恐らく不破以上である三上は、胸中で今日一番の嘆息を零した。 「やっと誕生日に捕まったと思ったら、これかよ…」 「俺はお前ほど暇ではないのでな。きちんと確約を取り付けない方が悪い」 確かにそれはそうだ。互いに拘束を嫌う性質なのだから。しかし、天邪鬼で鳴らした三上としては今更素直になれない。 「そん位察しろって。相手の行動や表情を読むのはPKでもやってんだろうが」 「む、それなら三上の方がPK並に解り易い顔をしろ」 「…喧嘩売ってんのかてめぇ…」 「ぬ?」 胸倉を掴みあがらんばかりの様態だが、それさえも無自覚にいなす不破。くり、と頭部を倒して疑問符を飛ばす。 その肩口に艶やかな前髪に覆われた額を乗せ、形のいい口唇がぽつりと独りごちた。 「お前ほど誕生日プレゼントの贈り甲斐のないヤツもいねぇだろな…」
今までのヤツらも可哀想に。
特に目に入れても痛くないほど可愛がっている渋沢なんかは、余りにも報われないのではないだろうか。 渋沢としては教え甲斐のある弟子と共に居るだけで充分なので、そんな三上の珍しい思い遣りは無用なのだが。
そもそも“誕生日にプレゼント”の意味が解らない不破。毎年誰からか貰うがその意図が解らない。 祝う気持ちを形にする、とう感覚が薄いのだ。 特に三上に対しては。
「わざわざ物を貰わんでも、俺は充分嬉しいぞ?」
普段通りの涼やかなテノールに鼓膜を擽られ、さらり、と黒髪を揺らす。 黒曜石に自らを映した三上だが、二の句が告げない。そんな恋人を真摯な眼差しで射抜いた不破が代わりに言葉を紡いだ。 「お前と共にいるだけで充分なのだし、特にそれが誕生日に限らんだけだ」 「…!」
知らず息を呑む。刹那、眦を限界まで緊迫させるとゆるりとそれを和らげる。 「……お前、ホントに俺が好きなんだな……」 「何だ今気付いたのか?」 呆れ気味に零した一言に、更なる呆れ顔で応じる恋人。三上はとうとう白旗を揚げた。 徐に口唇を寄せ、長い睫毛に縁取られた瞼に優しく落とす。 「悪ぃな、今更でよ」 ふ、と呼気を零した不破が鼻梁を寄せる。 「本当に、今更だな」 互いの存在を虹彩に映し出し、半眼のまま語りかける。 「4年後の南アフリカでは、決勝ゴールをくれてやるからな」 「了解した」 口唇を繋ぎ瞼を閉じる。 どこまでも晴れ渡る空の下、青々としたピッチの上に力強く存在する人影を見たような気がした。
このボールで初蹴りしよう、というプランは実は藤代と被っていたりするのだが、それを知るのは…また別の、話。 「あのバカ代が…」 そんな自分がちょっと悔しい三上だった。
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めらごっつ久し振りの三不破。所要時間約2時間(汗)。やっつけにも程があるぞ自分。 …いっそ、三上誕までこのままでいこうかしらん(笑<をい)☆
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