月のシズク
mamico



 黄色い封筒の「侵入者」たち

出がけにポストをのぞくと、厚みのある黄色い封筒が入っていた。
最近、黄色い封筒に縁がある。先週は、大ぶりの黄色い封筒を開くと
本が二冊入っていた。歩きながら手袋を外し、そのまま封筒を破る。
今度は、CDが二枚入っている。こちらも、手紙はない。

仕事場に着いてから、すぐにパソコンにセットして再生する。
ざらっとした感触のイントロに続き、のびやかな声にのった言葉が放出された。
思わず手を止めて、耳を澄ます。いや、音に集中しようと意識する以前に、
すでに私の両方の耳は、その正体を掴もうと試みていた。

このCDの送り主であり、この音楽の創り主は、kosechさんという人である。
数日前、ncのカイノショウさんが、興奮したようにメイルをくれた。「突然だけど、
凄いのがいるよ。音源を送りたいので、支障が無ければ送り先を教えて」
もちろん、私はそうした。すると、kosechさん本人からCDが届いたのだ。

CD二枚をたっぷり三度聴く。そして、ふと気づいた。
彼の音楽には、扇情的な要素が巧みにプログラムされているのだ。

まるで、黒い尻尾を持つ動物みたいだ。その尻尾の先っちょを掴もうと
追いかけているうちに、ずぶずぶとのめりこんで行き、いつしか自分も
"trickster(侵入者)"の一味だったことを思い出す。遠い記憶を手繰り
よせられるみたいな感覚。だからだろうか、懐かしく耳に染み込む。

私は新たな「侵入者」に、両手を広げて「ウェルカム」と云った。



カイノショウさん、kosechさん、どうもありがとう。今度はライヴでぜひ。

2004年02月03日(火)
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