月のシズク
mamico

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■ トラックの不運

昼下がり、自宅のベランダに出てブレイクタイムの一コマ。
ベランダの眼下、地元民の抜け道になっている一方通行の道路が何やら渋滞している。

身を乗り出してその先を見てみると、引っ越し作業中のトラックが行く手を
阻んでいるらしい。青い繋ぎ服を着たアルバイトのお兄ちゃん。
ててて、と駆けてきて、道沿いの駐車場にバックでトラックを誘導し、
後続車の運転手ひとりひとりに、深々とアタマを下げて謝る。

トラックが道に戻り、作業を続けようとすると、また一台。
トラックはバックで避難、青い繋ぎのお兄ちゃん、謝る、また一台、
トラックはバックで避難、青い繋ぎのお兄ちゃん、謝る、謝る、また一台。
・・・

バイトのお兄ちゃんの丁寧さと働きっぷりはスバラシイが、いったい何時になったら
荷物の積み卸し作業が終わるんじゃー!と、いささか心配になる近隣住民たち。
だって、斜向かいの家のおばちゃんも、犬を散歩途中のおっちゃんも、
学校帰りのコドモたちも、みーんな、好奇心と同情を織り交ぜた視線で、
コトの成り行きを見守る。って、単なる野次馬じゃんか(笑)

後続車が来ると、ねばり強く同じ動作を繰り返す、青い繋ぎのお兄ちゃん。
長い時間をかけて作業を終え、トラックに乗り込むと思いきや、くるりと
後ろを振り返り「どーも、ごめーわくを おかけいたしましたっ」と
後続車のいない道に向かってペコリとお辞儀する。

ベランダから、そろりそろりとのぞき見してた近隣住民、肩をすくめながら、
くすっとわらい、それぞれの日常に戻ってゆきましたとさ。


2003年01月17日(金)
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