月のシズク
mamico

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■ からまわる回転寿司

お寿司が好きなので、回転寿司にはわりとよく行く。
回転する鮨屋のいいところは、ネタの名前を知らなくても目の前を回る皿を
ひょいつかんで食らえる手軽さと、明朗会計なところ。ムダがなくて実にいい。

ところで、ある友はちょっと変わった回転寿司へ行ったことがあるという。
聞けば、ベルトコンベアに回るのは、皿の上に立った寿司ネタの写真で、
客はそれを見て板さんに注文するというもの。確かにネタは傷まないし、
写真で品物と名前を確認できるので便利なのかもしれない。
でもそれって、客入りの良くない店だと宣伝してるようなものですよね。
それにベルトコンベアを使う意味が私にはよくわからない。

あと、私が出会った妙な回転寿司屋。
オープンの3日間は一律100円!という広告に呼び寄せられてのれんをくぐると、
びっちりの客。驚いたことに黒いベルトコンベアーには何も乗っていない。
どうやら握りが追いつかないらしく、仕方なく客は口々に注文している。
でも、店側が明らかにパニック状態なので、客もどこか遠慮がち。

ま、せっかく来たのだし、と思って「すいません、甘エビください」と声をあげる。
すると、ベルトの内側で汗をしたたらせながら握っていたおやっさん。
「あっ、エビ、むりっす」

むり?って、無理ってこと??
それはネタがないとか、そういう次元ではないの?と目が点になってしまった。
でも、ま、そりゃ無理だよね。と空回るベルトコンベアを見つめて、おもった。
結局わたしは何も食べないでのれんの外へ出た。
なんだか気の毒で見るに耐えられなかったのだ。

その一ヶ月後、回転寿司屋は「海鮮ちらし寿司屋」に名前が変わっていた。
さらにその3ヶ月後、海鮮ちらし寿司屋の看板に「店舗募集」の貼り紙。
それから2年近く経つが、店舗は定着していないようである。

ダメ出しされたのはショックだったけれど、
この寿司屋の運命は、これでよかったのかもしれない。



2002年02月08日(金)
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