| まだまだつづくよ! |
「若い女だったんです。」
延べられた床に就き、利吉は乾いた唇でそう切り出した。
「情報が欲しかったんです。…女だと甘く見ていました。」
屋敷の下女と懇ろになり、体を合わせるようになった。 いける、と思った。だからそれとなく情報を聞き出そうとした。
「くのいちでした。抱かれながら私の喉に簪をつきたてようとした。」
だから、殺したのだと。 そう言い捨てる利吉の声はささやくように細く。
「喉を切りました。付け根です。父に教えてもらった急所でした。血が、たくさん出たんです。女は何か言いたそうな顔をしました。でも」
女の唇からこぼれ出たのは叫びでも恨み言でもなく。
ごぼり、と音を立てあふれ出したのは、泡だったどす黒い血液だった。
「不思議そうな顔をしたんです。本当に、不思議そうな。」 首から鮮血を噴出し、唇からもだらだらと血を流し続けながら、 それでもその女は冬に蝉の声を聞いたときのような顔をしていたのだと。
言いながら、利吉の体はがたがたと震えていた。
半助は、何も言わなかった。 慰めが、彼のためになるとは思えなかった。
誰もが通る道なのだから。
「利吉君、少し休みなさい。診ていてあげるから。」 「土井先生、あの女はなぜあんな顔をしたのですか?自分の命が尽きるときに、なぜ、あんな」 「休みなさい。今は体を治す事に専念するんだ。」
言い捨てて、半助は裏庭の井戸へ水を汲みに立った。
雨はいつの間に止んだのか、外ではコロコロと虫の音が聞こえる。 濡れた下草を草履で踏み分けて井戸端に立った。
自分が初めて殺した相手の顔は、今でも覚えている。 子供だった。敵に見つかったと思い、とっさに刀を振るっていた。
泥まみれの握り飯を持っていた少年の頭が、 どさり、と地面に落ち鈍い音を立てた。
戦だったんだ。 何度も何度も自分を納得させようとした。 斬らなければ自分が斬られる。しょうがなかったんだ、と。
ただ、どんなに振り切ろうとしても。
胴体から切り離されたはずの頭は、 瞳から涙を流し、半助を見つめていた。
見つめていたその少年の顔を、半助はまだ覚えているのだ。
それから幾人もの人間を斬ったが、 相手の顔はいつもあの少年の顔に見えた。
そうして気づいたのだ。 自分は実戦には向かない、と。
---------------------- ああ、まだおわんねえのかこの話…。いつになく長丁場。
いやー、ちょっと皆さん褒めすぎ! 嬉しいじゃないですか。どうするんですかこんなに喜ばせて。 読んでもらえているという嬉しさに咥えて(一発変換) 楽しんでいただけてるだなんてッ
Sきちさん、Rうさん(ふせる気が無い)お言葉大感謝ー!! 嬉しさの余り体が汗ばんじゃって大変。 ウチの利吉は多分この青さがウリなんですよきっと。
またぼちぼち現れては続くのですが、また暇だったら読んでやってください。 あと、あんまり何も考えずに書いているので突っ込まないでやって下さい。
でも感想は嬉しいよ?!(寂しがり)
あ、表紙ですか。あ、聞いてないですか。 でも書きますね。露悪趣味だからね。 案の定まだ4人目。しかしくの一大会までには終わらせるよ。 ということは今日と明日しか。終わる終わる。大丈夫。
くの一は、 20日のお仕事を終えて、 その足で駅まで切符を買いに行って、 風呂はいってすぐ寝て、 2時くらいに起きて、 朝三時発の電車で京都に出て、 そのあと京都から福知山に出て、 ずばり会場受付まで一時間ちょっと福知山駅のベンチで待機。
会場近辺になんか24時間のなんかが無いか探したけど、あるわけねえ。
21日の朝8時半くらいに福知山駅前でタバコを寂しくふかしている女がいたら私ですので、見かけたら声をかけてやってください。 涙を流して喜びます。(また一人で参加だよ!) ロンリーオンリー。 今度こそはデジカメを持っていく。しかし撮ってる暇あるのか。
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2004年08月18日(水)
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