| きわどい |
きょうのは日記じゃないの。 ちょっと思いついちゃって勢いでやってみたよ。 相変わらずういういすぃー。 しかも年齢操作イエーイ
きづいたら目で追っていたし、 それはもうしょうがないことだ。
ちょっと困ったようにわらう口元も 大きな声でこどもたちを呼ぶ声も 目も耳も手も声も 少し大雑把なところも意外にまめなところも すきですきですきですきで ぜんぶがほしくて
ちからいっぱいだきしめた このまま自分の中に溶け込んでしまえばいいのにってくらい つよく からだとからだのあいだにある 空気や着物や先生の装束や そんなものすらゆるせなくて だから
「痛い」
先生がそうおっしゃったときも なんのことだかわからなかった。 とにかく隙間をうめたかったから。 いっしょうけんめいに腕に力をこめつづけた。
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日に焼けた栗色の髪がさらさらと顔にかかる すこし汗ばんだ首筋から利吉のにおいがする
ふとした瞬間目が合うようになっていた。 切れ長の目や長い指や いつの間にか伸びた手足がなんとなく気恥ずかしくて。 「大きくなられましたねえ」 そう同僚に笑いかけることで利吉との距離をとりつづけていた。 執着する自分を隠し続けた。 7つも年下。 まだ15なのだ。 まったく、どうかしている。
それでも、こちらを伺うように 普段はまったくみせないような不安げな視線に つい、うっかりと油断したのだ。 ほだされたんだ。 気が緩んだんだ。 つい、うっかりと。
「おはなしがあります」
あいかわらずかしこまって言うもんだからおかしくて、 「伺いましょう」 わざと丁寧にかえしてやる。 神妙な顔つきできびすを返し、私を促す。 無言でどんどん歩いていくから、ついていくしかない。 裏庭の薪割り場まできたところで、ぐいと両手をひっぱられた。
両脇から腕を通し、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。 余りにもその力が強いので、利吉の真意がわからない。 締め技の練習かと本気で思った。 そうでないと気づいたのは、 私の右頬に利吉が自分のほおを摺り寄せてきたからだ。 その上肩に熱い息がかかる。
ああ、まずい。
ちなみにこの「まずい」はいくつかの意味を含んでおり。 こんなとこで誰かに見られたらまずい のと、 このままコトに及ばれたらまずい のと、 利吉に抱きしめられて少しも嫌じゃない自分
に対しての「まずい」である。
どうかすると、うっかり自分の両腕を 利吉の背中に回してしまいそうになるのだ。 まずい。 腕を利吉からはずさせなければ。 そうおもって、くちにした。
「痛い」
だけど。 一向に力は緩まないし、 この初夏の真昼間ッからくっついているもんだから じっとりと汗が浮かんでくる。 ますます力が込められるに至って、 こりゃあいかん、と語調を強める。
「はなしてくれないか?」
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しまった、とおもった。 でももうがまんできなかったんだ。 押し倒さなかっただけでもじぶんの自制心に感心する。
一気に体から力が抜けて先生の腕にしがみつくように、 ずず、としゃがみこんでしまう。 せんせいごめんなさいもうしわけありませんでした もうしませんゆるしてください。 思いつく限りの謝罪の言葉は のどのところで詰まってしまってでてこない。
ああ、どうしようかな。 変な奴だと思ったろうな。 大体、「話があります」って人気のないところにつれてきて、 いきなり抱きついてくるなんて変態じゃないか。
でもがまんできなかったんだ僕は先生がすきですごめんなさい。
うつむいて黙ってしまった利吉を どう扱っていいやら半助も困惑していた。
利吉の気持ちはうすうす気づいてはいたが、 あの腕の力を考えれば よほどの思い入れなのだろうことは理解できる。 しかし、半助はその思い入れに応じるわけにはいかないのだ。 なんせ、まだ彼は15になったばかりなのだから。
「利吉君、お母上が昼餉を用意してまっておられるよ。」 「土井先生、僕は先生のことが好きです」
利吉の一大決心の告白は、 半助の確信犯的発言にかぶり、ききとれなかった。
そよ、と風が吹いて、頭上の青葉が揺れる。
「いこうか」 にっこりとわらって半助が手を差し出す。
「……」 ばつがわるそうに、その手を頼りに利吉が身を起こす。 「土井先生、私は…」 「今日のご飯はなんだろうなあ。利吉君のお母上は料理がお上手だから」 「先生、わたしは」 「利吉君」 突然半助が振り向いて至極、まじめに 「たくさんご飯を食べて、立派な忍者になるんだぞ」
そういって、利吉の手を強く握り締めてくれたから。
それだけで、利吉の思いは成就したも同然なのだ。
なんだこりゃー。 薄目で!!! おねがいします薄目でよろしく!!! 暑いから沸いてるだけだから心配しないで。
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2004年06月24日(木)
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