『たけぐせの随・弐』

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2002年05月27日(月) 『ゆく蛙』

爺蛙「これこれ、若いの。どこへ行く気じゃ」

若蛙「あの大きな池にいくつもりです」

爺蛙「その山道は危険じゃ。岩もごろごろあるし、蛇もでる」

若蛙「知っています」

爺蛙「ほれ、この平坦で大きな道をゆけばあそこへゆけるぞ」

若蛙「それも知っています。しかし、この道が良いのです」

爺蛙「ならば、若いの。この道をゆく術を知っておるのか?」

若蛙「いいえ、知りません。僕には何の知識も術もありません」

爺蛙「そこはしばらく登れば、小川の流れにぶつかる」

若蛙「はい」

爺蛙「その流れに身を任せなさい。さすれば、池に流れ出る」

若蛙「はい。ありがとうございます」

爺蛙「む?若いの。その流れにものらんという顔をしているな」

若蛙「はい。そう考えていました」

爺蛙「遠回りすることになるぞ」

若蛙「自分の選んだ道を信じたく、自分の足を試したいのです」

爺蛙「辿り着けぬかも知れぬぞ」

若蛙「必ず辿り着きます」

爺蛙「よい意気込みじゃな。だが、ひとつ聞いてくれるか」

若蛙「なんでしょう?」

爺蛙「道ゆくものにあったならば、必ず声を掛けなさい」

若蛙「なぜですか?」

爺蛙「いつでも仲間がいる、ということだ」

若蛙「はい」

爺蛙「それを胸におき、自分の選んだ道をゆくがよい」

若蛙「わかりました」

爺蛙「精進せぇ」

若蛙「ありがとうございます。では、ゆきます」


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