『たけぐせの随・弐』
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爺蛙「これこれ、若いの。どこへ行く気じゃ」
若蛙「あの大きな池にいくつもりです」
爺蛙「その山道は危険じゃ。岩もごろごろあるし、蛇もでる」
若蛙「知っています」
爺蛙「ほれ、この平坦で大きな道をゆけばあそこへゆけるぞ」
若蛙「それも知っています。しかし、この道が良いのです」
爺蛙「ならば、若いの。この道をゆく術を知っておるのか?」
若蛙「いいえ、知りません。僕には何の知識も術もありません」
爺蛙「そこはしばらく登れば、小川の流れにぶつかる」
若蛙「はい」
爺蛙「その流れに身を任せなさい。さすれば、池に流れ出る」
若蛙「はい。ありがとうございます」
爺蛙「む?若いの。その流れにものらんという顔をしているな」
若蛙「はい。そう考えていました」
爺蛙「遠回りすることになるぞ」
若蛙「自分の選んだ道を信じたく、自分の足を試したいのです」
爺蛙「辿り着けぬかも知れぬぞ」
若蛙「必ず辿り着きます」
爺蛙「よい意気込みじゃな。だが、ひとつ聞いてくれるか」
若蛙「なんでしょう?」
爺蛙「道ゆくものにあったならば、必ず声を掛けなさい」
若蛙「なぜですか?」
爺蛙「いつでも仲間がいる、ということだ」
若蛙「はい」
爺蛙「それを胸におき、自分の選んだ道をゆくがよい」
若蛙「わかりました」
爺蛙「精進せぇ」
若蛙「ありがとうございます。では、ゆきます」
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