ムッキーの初老日記
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2003年10月21日(火) マイク職人列伝


先日、ウォーキング仲間のカオリちゃんと一緒に
このへんでは一番有名な大手ドラッグストアチェーン
「カ○チ薬品」の新店のオープンセールに行って来た。

ウォーキングの後、朝一番で行ったのにもかかわらず結構な人出で
オープン特価に賭ける人たちの意気込みに圧倒された。

私達は、特に目当てのものがあるわけでもなく
ぶらぶらと店内を見回りながら
思ったほど安くもないな・・・とぶつぶつ言い
そろそろ帰ろうとした、その時。

店内の喧騒に紛れて、それは聴こえてきた。


それは、あまりに見事な店内マイク


それがまた、あまりにも巧すぎる。
声の質、張り方、言葉の選び方・・・
どれをとっても完璧、パーフェクトなのだ。

いったいこれ程の素晴らしいマイクパフォーマンスを
誰がやっているのか?
カオリちゃんと私は顔を見合わせ、マイクの主を探した。

彼はサービスカウンターの中にいた。
ネームプレートには「高村(仮名)」と書いてあった。
30代後半ぐらいの、一見平凡そうな男性社員。
だがしかし、一旦マイクを持たせたら
誰にも負けないマイクパフォーマーだ。


「巧いねえ。高村さん。ただ者じゃないね。」

「んだね。もしかしてデパート出身じゃないかね。」

「かもねえ。あの言葉遣い、言い回しはそんな感じだね。」


私達はしばしその男性社員を遠くから見つめ
色々憶測しあった。


私とカオリちゃんは、もともとデパートの同期入社という仲だ。
あの頃、私達が勤めるデパートには
各階に「名物マイクパフォーマー」がいた。
タイムサービスや、特価品などの案内をする
男子社員がそう呼ばれるのだが
彼らは、エンドレステープに吹き込んだ声や
直接マイクや拡声器を使って
その素晴らしい喉を披露していたものだ。


カオリちゃんのご主人のマサカズ様も、かなり上手だったが
もっと巧かったのが私と同じ売り場の飯村氏(仮名)だ。
声、トーン、抑揚の付け方、どれを取っても一級品だったが
彼の最もすごい所は、

マイクに文学の匂いを込める所だった。


これが巧い。
デパートの中心客層である、マダムの心をわし掴みである。

一番覚えているのは、冬。雪が降る寒い日のこと。
彼はマイクをこう切り出した。


粉雪 舞い散る お寒い中を
本日も○○にお越し下さいまして、まことに、ありがとうございます。」


これにはお客様もそうだが、店員も皆笑ってしまった。
嗚呼、伝説のマイクパフォーマー、飯村氏よ
彼は今も元気だろうか。


さて、後日カオリちゃんからこんなメールが来た。
彼女は近所の利を生かし、
次の日も日替わり特価品をゲットしにカ○チに出向いたらしい。
彼女の承諾を得、そのメールをここに紹介する。


「ムッキーへ

今日またカ○チに行った。
高村さまじゃない人がマイクしてた。
・・・下手だった。
それを後ろで見つめる高村さまの姿。

『俺に貸せよ。俺の方が上手いんだよ。』

っていう顔だった。

やがて私の買物も終盤をむかえる頃
すべるような美しい声が。

高村さまだった。

すかさず顔を見に行った。
そこには勝ち誇ったような
すがすがしい顔の高村さまがいた。

高村さま、マイク最高!

               カオリ 」


高村リポートありがとう・・・。





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10/17 十二支を数えると、ひとつ足りなくなる。

10/16 震度4ぐらいでは驚かなくなってしまった。

10/15 虚しいなぁ…と思ったらやっぱり古賀メロディー。

10/14 F1のゲストに田村亮子って…1番無しだろぅ…

10/13 見ていると、何かムカつく落合福嗣。


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