妄想暴走オタク日記


2007年08月02日(木) ※花

 「福田を花束にして、どないするつもりなん?」

 問うた言葉にきょとん、と目を丸くした徳井は、薄っすら笑ったようにも見えた。
 「そら、花やもん。きれーな花瓶買うてきて飾るわ」
 何を当たり前の事を聞くのだ、とそんな雰囲気で、徳井はご丁寧にもこんな感じのガラスのやつ、と説明を加えた。きらきらと輝くクリスタルの花瓶に生けられて、福田もきっと喜ぶだろう、と言う。
 問いの趣旨はそうではなかったのだけれど、徳井が意図的に話を摩り替えたのか、それとも大真面目に読み違えたのかは分かりかねた。コンビとしての相方であった福田を、花束に変えてしまったのは何故なのかと聞きたかったのだが、目の前の徳井は、およそその答えからほど遠いところに立っていた。
 なぁ見て、きれーやろ、と、福田の花束を大事そうに抱えた徳井は笑っていたのだった。ふくにはピンクが似合うと思てん、と一生懸命選んだらしい包装紙を指でなぞりながら、うっとりと目を細める。ほのかに甘い香りを漂わせながら、そんな徳井の指の動きに合わせて福田がゆらりと揺れれば、それすらもかわいいのだと、徳井は満足げに微笑んだ。
 「花瓶に生けて、部屋に飾るん?」
 「そう。毎日水を替えて」
 徳井の雑然とした部屋の中に、シンプルな花瓶に生けられた、華奢な福田の姿を想像した。
 それはそれで、いいのかも知れない。生活感はあってもどこか空々しい徳井の部屋には、花くらいあった方が人間らしくなるに違いない。いつか訪れた徳井の部屋は、贅沢な間取りにお洒落な雑貨や、趣味だという家電がたくさん置かれていたけれど、それらに囲まれながらも徳井の本質がまるで見えてこなかった。物は溢れているのに、徳井自身はまるで満たされていない。そんな印象を受けたのだ。
 だから、せめて福田がいれば、あの部屋にも室温が戻るかも知れないと、一瞬でも思ってしまった。
 「活性剤もあげて長生きさせてあげんと」
 それでも、いつか福田は枯れるのだろう。
 ある日、床に落ちた福田を一枚一枚拾い上げて、徳井は泣くだろうか。それとも笑うのだろうか。そんな事を考えた。
 まだ朽ちる手前のきれいな花弁を手のひらに乗せた徳井は、それをポプリにするかも知れない。人工の香りを後から後から足して、まるで福田がまだ生きていると思い込もうとするかも知れない。
 それとも、一番きれいな花弁を一枚、栞にして持ち歩くだろうか。けれど初めは鮮やかなその花弁は、日毎に色褪せていくのだろう。
 福田を失った徳井は、けれどそうする事で、福田を永遠に手に入れるのかも知れない。
 なまじ付き合いが長すぎたばっかりに、なまじ覚醒するのが少し遅れたばっかりに。気が付いた時には手遅れだった。一度動き始めた歯車は、とうとう噛み合うことがなかったのだと言った。福田に先に彼女が出来て、赤裸々に語られる彼と彼女の関係過程を聞きながら、徳井はそのどろどろした感情が嫉妬なのだと気が付いて、愕然としたに違いない。取り繕うように自分も彼女を作ってみても、それが偽者だと知っていた。それでも本物に触れる事は出来なかったから、目を背けて誤魔化して、忘れる刺激を求めるうち、いつしか変質的な嗜好に傾倒して行った。今や徳井のアイデンティティにもなったエロキャラの陰で、本来の彼は、初心で一途で小心な男だったのだ。
 ただ一人の特別を抱けない代わりに、徳井が抱いてきた全ては虚構でしかなくて、だから、自らの手の中で福田を失う事で、真実を手に入れようとしたのかも知れない。
 福田をとても好きだという真実。
 もう触れられないそれを、一生抱いていくという現実。

 今、手の中に福田を抱えた徳井はとても幸福そうな顔をしていたから、それはそれでいいのかも知れない、と後藤は思った。



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えーっとすみません!YOSSYなる吉本本に掲載されていたらしいという、白スーツ徳井さんに花束にされてお持ち帰りされる福田さんというもへ画像を頂いて、ギャース!と叫んではみたものの、花束って…と暗く考えたところ、かんなり病んだ人が出て来てしまいました。実際はもっとキッチュなノリなんだけど「福ちゃんを花束にする徳井さん」の是非を考えてみたら、キッチュでは収まりませんでした…。ついでなので最近ぐるぐる考えている中途感の大前提も盛り込んでみたら、なんだか収拾付かない感じに。まぁ探り探りなので、こんなもんです、という訳で。

もーすみません、しばらくこんなん続くと思うので、興味ない方は1行目を読んでアッ違う、で引き返してやって下さいませ(ぺこり)。本人楽しくて仕方がないので、しばらくこんな感じです。

ちなみに聞き手はイメージ後藤さんなんですが(てか彼しかいない)名前は出そうか出すまいかと迷って、結局最後に出してみました。さすがにちょっと分かりにくいかなーと思って。というかわたしの中でむしろ、後藤さんの妄想力のが上を行くかも知れないと思えてきました(笑)

何か色々言い訳ついでに語りたい気もするんですが、とりあえず一旦送信ー。




の前に、ビックリ食いつきを頂けてワオーな拍手お返事。

7/27
◎22時/まさかまさかの…方へ(笑)
●まさかの中途さま!濱大の方だったんですねーいつも嬉しい※ありがとうございます!名前は入れて頂けると分かり易くて嬉しいですけど、強制ではないのでお好きになさって結構ですよ。後徳福というか、徳福がすでにものすごい病んでるイメージになっちゃったんで、相乗効果でよりいっそう捩れた感じになってしまいました。実はわたしも黄金伝説で嵌ったクチです(笑)。10回ゲームもかわいいですよねvv

7/28
◎12時/青ちんへ
●わおーどうしたんだよwww拍手※なんて珍しいしかも中途でってwwwwwwwしかも草生えすぎだからwwwwwウケて貰えたのならしてやったりですんwwwさすがにのんちゃんは入れられませんでしたwww

7/30
◎22時の方へ
●わー!大昔の中途好きさんいらっしゃいー!わーわー!そんな方に読まれてしまって若干恥ずかしいんですけど…妄想の産物ですので(汗)!そんな方に理想的と言って頂けて嬉しいですってか安心しました(笑)。というか、よかったら中途のノウハウを教えて下さいー!お笑い熱上げちゃって下さいー!(希望)

◎23時/桃へ
●ちょ、マジ君も徳福もえ?wwwww萌えたならあなたも書いてー!すっごい期待してる!や、ほんとお笑いで復活しちゃいそうな勢い…ってかじゃにでも十分オタでしたが、何かwwwwwオフって事なら無理ー!



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