|
妄想暴走オタク日記
「ヨコヤマさん」
ねっとりとした声に呼ばれて、振り返ると同じくらい粘着質な視線がヨコヤマを捕えた。知っている目だ、と思った。まるで鏡を見るように、ニシキドの昏い目がヨコヤマを見ていた。仄暗く、底が知れない。それはいつか、鏡を覗いた自分の沈んだ瞳と同じ色をしていた。 「まだまだ足りませんよ」 まるで欲望のままに、ニシキドはそう言った。それが彼自身のものか、彼の黒いスーツの内ポケットに潜む手帳がそう望んでいるのか、ヨコヤマには判断しかねた。ただ新聞記者として、面白ければそれでいいんだ、とニシキドは言った。 「映画の為なら人の一人や二人、死んだっていいじゃないですか」 あなたの為でもあるんです、と嘯くニシキドが、そんなことを望んでなどいないことを知っていた。いや、望んでいないというのは違うかも知れない。それがヨコヤマの為ならニシキドはそもそも協力したりなどしない。映画のヒットがヨコヤマの為にならないことを知っているから、ニシキドにとってはそれ自体はどうでもいいことなのだ。 「そんな事をする必要性って、ありますか?」 ゆっくりと口を開いたヨコヤマの声は、自らが思う以上に淡々としていた。ヨコヤマにとってもそれ自体がどうでもよかったのかも知れない。 「それはあなた次第でしょう」 歌うようなニシキドは、楽しんでいるようにさえ見えた。それは本当に、ただ楽しんでいるだけなのかも知れない。世の中に起こる事件の全てを。人の生死でさえ。 「私は映画の為、あなたはジャーナリストとして生き抜く為に、どんな手を使っても構わないということですか」 その為に人の死ですら厭わないと言う。同じように嘯いたヨコヤマの言葉が肯定なのか否定なのか、それだけでは分からなかった。探るようにゆっくりと持ち上げた視線がまた少し絡んだ。見遣るニシキドの目線もゆらりと揺れる。 「当たり前じゃないですか」 だから本当に、頼みますよ、と近づいたニシキドの手がヨコヤマの肩に触れる。五本の指が絡みつくようにヨコヤマを捕らえる。逃がさないように、それはニシキドの無言の圧力のようにも思えた。 「何を、躊躇ってるんですか。それともこの期に及んで正義でも掲げるつもりですか?」 瞬間、刺すようなニシキドの視線がヨコヤマを射抜いた。 「あなたはもう、人を一人殺してるんですよ」 視線より鋭いニシキドの声は、押し殺すことによって震えてさえ聞こえた。悔しいのか、悲しいのか、やるせないのか、いっそそれら全てをないまぜにした表情で、声色で、ニシキドは、ヨコヤマを捕らえて離さない。 「……分かっとるわ」 だらだらと顔を背けて、ヨコヤマはニシキドから離した目を伏せた。ニシキドの言葉の意味を理解して、無意識のうちに口調が変わっていることにヨコヤマは気付かない。痛みに耐えるように、搾り出すような声が橋から滑り落ちて、水中に沈んでいく。その軌道を見送ったニシキドが、視線を戻す。ゆるりと唇を歪めてヨコヤマを見た。 「ところで、ご存知ですか。あなたの映画のモデルの渋谷スバル。その弟は、心臓を患っているらしいですよ」 ニシキドの声が耳に届いたか届かなかったかのうちに、ヨコヤマが勢いづいて顔を上げる。目が合ったニシキドは、薄らと笑っていた。 「おや、ご存知なかったですか?亀梨カズヤの網膜はく離や渋谷スバルの頭蓋骨骨折を知っていて茶番を仕組んだあなたも、その弟の心臓病までは知らなかったんですか。それとも、」 一旦言葉を切ったニシキドが一歩足を進める。互いの息がかかる程の至近距離で、殆ど殺されそうな鋭い視線が瞬きもしないで降りかかる。 「知らないふりをしていただけですか?」 「…ホンマに、知らんかったんや」 低く唸るようなヨコヤマの声に、ニシキドは鼻で笑う。まぁ、どっちでもいいんですけどね、そんなのは。知っていたからってあなたに何が出来るわけじゃない。そもそも、するつもりもないでしょう? 「だってあなたはそうやって、ムラカミさんを殺したんだ」 そうでしょう?とニシキドの声が言う。歌うようなその声が、捧げているのは鎮魂歌だったに違いない。
▼1:22
夢男感想を書こう書こうと思いつつなかなか書けずに虚しく日々が過ぎていくわけですが、これではいつまでも書けそうにないので見切りでアップしてみた感想文、です。
幕が開けて随分と経ってから見に行った今年の平成夢男ですが、今年わたしが見たのは後半編、を2回だけの観劇でした。前半編は結局見ていないので、内亮がいない状態でどう印象が変わるのか違いは分かりませんが、初見の感想は正直、去年よりもひどいなぁ、というものでした(特に子役の子がひどいと思うんですが…もうちょっと何とかならなかったものか)(あとは関ジュも頑張れ)。でもまぁそこはそれ、割り切って見る分にはとにかく兄貴の極悪非道な設定に萌え。横ちょのエセっぷりに萌え、丸ちゃんの長髪に萎え(あれ)、そして何に一番萌えたかって安田の役回りでした(笑)!わたしの初日は8日�I瑤世辰燭鵑任垢�、ちょっとね〜一幕終わった瞬間にわたしが言ったことには「安田、その役寄越せ!」でしたもん(笑)。延々安ズルい安ズルいと繰り返して東に笑われたりもしたんですが、だって!亀と昴と聖の間で揺れて、苦悩したり思い詰めたり、表情豊かな役を安田はとても楽しんで演じているように見えたのが、もぅ普通に羨ましい〜と思って(笑)。挙げ句刺されてアキトに血だらけの手を握られるわ丸ちゃんに駆け寄られるわ!わたしは所詮雛担ですから、そんなあの人を思うさま見たかったんですよ、本当は。だからこれはただのジェラシーなんですけど(笑)あとはアクロバットに入る亀の補佐をする時の安田の表情とか、それはそれで妖艶な、何とも面白い(言葉通りの意味ではなく)表情がツボだったりしました。いやもぅ、本当に羨ましい安田…(まだ言うか)…ぜひ来年は雛さんに刺されてみて欲しいんですけど、どうかなぁ?それはもぅ思った以上に濃ゆく刺されてくれると思うんですけど(笑)
で。そんな羨ましいばっかりのわたし(たち)がしたことと言えば、とりあえず村上、入る余地あるよね?的な(笑)。いやヨコヤマとニシキドの歪みっぷりが素敵だったので、これはあれだよ、何か大切なものが失われたに違いないよ!と。最愛の人をひどい亡くし方をしたんだよ!と。まぁ安直な展開ではあるんですが(笑)それでじゃぁどんな風に死んだの?ということで、あれだよユウタと同じ、ヨコヤマには先天的に心臓が弱いコイビトがいて、映画を作りたいというヨコヤマの夢をいつも笑って聞いてくれてて、だからヨコヤマはその夢を叶えて稼いでムラカミの心臓を直したかったと。で、当時新人記者だったニシキドはそんなムラカミの記事を書くべく取材をしていたんだけど、ムラカミの様態は急変して、ある日病室に行ったらもうムラカミはいなかった、と。実はヨコヤマはヤミ的に移植心臓を回してやると話を持ちかけられていて、それはもぅ必死でかき集めて金を用意するんだけど結局それは騙されて、金だけ取られて逃げられると。ほぼ一文無しで失意のヨコヤマにムラカミは笑って、アホやなぁ、と。俺はそんなことをしてまで生きたないよ、と。そう言って死んで行ったムラカミがそうなったのはヨコヤマのせいだとニシキドは決め付けて、あんたが殺したんだ、と。なんかそんなのを延々考えてました(笑)。思いつきで話していたのでいっぱい矛盾してるんですけど、もう少し暖めて話にする…自信がなかったので先に書いてみたり。
サイトとしてろくな更新も出来ずにすっかり止まってしまって、正直そんな状態でだらだら続けていてもどうなの、閉めたほうがいいの、と思ったりもしているんですけども、お話の更新がなくても日記で萌え語りやプチネタを読むだけでも楽しい、と言って貰いまして、その言葉がとても嬉しかったのでそれならもう少し、このままでもいいのかなぁという気がしています。本当に日記しか、というより今は日記すら満足に更新出来ない有り様で、書きたいお話はあるんですが実際書けなくなっている気もします。単純に集中力がないというか。本当に。なのでまぁ、まだまだ当分は開店休業が続きますがまたふらりと戻ってくることもあると思うので、適当にお付き合い頂けると嬉しいかなと…あれ、こんなことを書くつもりじゃなかったのに。日記もしばらく書かないと勘が鈍るもんなんですね〜。初めて知った(笑)
そうそう、サイトといえばそんな中でふと気がつけばトップページのカウンタが88888目前なんですよね…! 88888、ってやっぱり並び数字が特別だから、この数字が来るまでには復活しているつもりだったんだけど、これは全然ダメっぽいというか…そう思った頃はまだまだ先だったんだけどなぁ。何かしたいけどそれこそあっと言う間に超えてそうで、何も出来る自信がありません…。せめて踏んだ方はご一報頂ければ何か出来ることをしたいなぁとか思うんですが…まぁ来ないかな(笑)。来ない前提で切りリクとかどうぞ!などと言ってみます。しかし88888かぁ…思えば遠くに来たもんだ。(遠い目になりつつ)
|