目は虚ろに、足は千鳥。手に触れるものは霞。聞こえるものは木霊。眼は乾き、溢れるものは冷たい紅。上は下に下は上に、歩いているのに廻っている。黴た匂いのする乾いた虚空に感じるのは羽根と浮く自分の心。願わくば足を踏み外して、奈落の底に。