幻想
鈴音



 恋する気持ちは

生理になったと嘘をついて彼を確かめたり
やっぱり彼もカラダ目的だったと幻滅したり
逢うんじゃなかったと後悔したり
これで終わりか?と不安になったり
逢うって別に難しい事じゃないんだ?と思ったり


恋する気持ちはすべてを肯定しすべてを否定する…


彼は私を抱く事が出来なかったから少し怒っていたけど
私に触れさせ、私に出し、私に見せる事によって
満足したようだった。

満足した顔を見てホッとした
続きがあるって思えた
まだこの恋愛は続くと思った…続けたかった

逢って、イメージとは違ったし
ネットの中の恋愛のままでもよかったけど
違う恋が始まったような気がした
本当の恋がこれから始まるような…

ここから、本当の遠恋が始まるんだと

帰っていった彼が今まで以上に恋しくなった
今度は…もし今度きてくれたら、抱かれようと思った。

チャットで彼を待つようになり
メールを頻繁にするようになった
繋がってない間を気にするようになり
返事が遅いのを不安に思ったりした

好きになり過ぎた方が負けだと思ってたのに……

私はきっとこうなる事が解ってたから
頑に逢いたくない、逢えないと言ってたんだと思う。

ネットの中だけなら本を読むように恋ができる
でも、逢って現実にしてしまえば苦しい恋が始まる
恋にハマってしまう…。
まわりが見えなくなって
自分の置かれた立場を忘れてしまう。

そんな恋はしたくなかったのに。。。

今度は遠い事が悲しかった。
逢いたい時に、会えない事がせつなかった

チャットでは言えない
メールではもどかしい
逢いたい。逢いたい。。。。。


彼の気持ちを考えなかった
自分の恋しい気持ちだけを主張してた
カラダを差し出せば大丈夫だと思った
その日が来るのが待ち遠しかった

その時もまだ、彼の全部を知ってたわけじゃないのに…


始めて逢ってから5ヶ月目にまた逢う事になった。
友達の結婚式に大阪に来る事になったから
その前の日に逢おうと…
それが嘘でもそんな事はどうでもいい
会える事が嬉しかった


私はセックスが嫌いだった
飼われてる私にはセックスが自分が気持ちよくなる事よりも
痛いのを我慢しながらするものだと教え込まれていたから

でも、好きな人と抱き合えば痛くないセックスができるだろうと思っていた
本で読むような、映画で見るような
好きな人の物になるという普通の恋人同士がするように
それが出来るのは彼とのエッチでしかないと…


たしかに全身にキスをされ、今まで味わった事がないような
快感が私を震わせた
自分でするよりも気持ちいい指の動きで私はとても濡れた


だけど。。。
私の中に入ってくると…
無理矢理でも同意でも同じ行為。。。
痛くないだけまし?
後は彼の動きに合わせて私は演技をした…

なんでなんで?
なんでこうなの?

好きな人に抱かれて彼の物になるのは、夢見るぐらい気持ちいいものじゃないの?

疑問に思いながら
この前のぶんもとり戻すかのように何度も私を抱く彼を
受け入れた…

彼はおおいに満足して帰っていった
そして、前よりもたくさん愛してると言ってくれるようになった




反対に私は……………鬱陶しく思うようになった…

2004年04月30日(金)
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