こんなこと・あんなこと

2003年03月10日(月) お若い皆様に……

旅立ちの春。どこぞへ旅立つ前に、パソコンの基本を覚えておこうというお客様が多いこの時期。私は、長旅に備え、少しずつ長い距離を飛べるようになるための訓練をする渡り鳥の母の気持ち。

基本的な羽の動かし方、まずは離陸、着陸するための訓練。
鳥にしてみれば、離陸、着陸だけでかなり大変なはず。まずは風を読み、向かい風をとらえ、それに合わせた羽の動かし方を覚える。
しかし、どんなに上手に飛べるようになっても、どんなに長い距離を飛べるようになっても、群れのメンバーとして生きていく以上、群れの、目には見えないきまりというものも理解していかねばならない。
群れのメンバーとして認められなければ、一人で北へ帰るか(南に渡るか)、もしくは越冬地に留まる(越冬地に渡らない)しかないわけで、つまりそれは繁殖のチャンスを得る(食糧を確保する)機会がずっと減ることを意味する。群れのきまりをそこそこ守ることのできるメンバーで次の世代が構成されていくという、厳しいながらもある意味、種として生存していくにはそこそこによいシステムを自然界は備えている。

さて、母鳥の私、飛ぶ技術だけを教えていればよいものか……。
お若い皆様には、「おはよう」と声をかけて、リアクションがなければ、「あいさつぐらいしなさい!」と一喝。「しました」などと答えようものなら、「聞こえないのはあいさつとは言わん!」とさらに一喝。
こういうことを教えていった方が、彼、彼女のため、世のため、人のため……、だよな、と思ったりするこのごろ。


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Hiroko Watanabe [MAIL] [HOMEPAGE]

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