forget-me-not

2011年08月25日(木) 止まらない時間

父方の祖母が亡くなった。

昨日がお通夜で、今日がお葬式。

まるで父の後を追いかけていったかのようだ。

死因は聞いていない。

おばあちゃんが、父が亡くなったことを聞いていたかどうかもわからない。

老人ホームに入ってから、認知症が進んだそうで
何をどこまで理解できていたかもわからない。

でもなんとなく、おばあちゃんは父のことをわかってたような気がする。

一人ぼっちで逝ってしまった不憫な父を、おばあちゃんが
放っておかなかったんじゃないかと思う。

母親と乳飲み子は離れたところにいても、母親のおっぱいがしくしく
痛み出す頃、赤ちゃんも泣いているものなんだそうだ。

母と子って理屈じゃなくつながっているんだよね。

生後一ヶ月の赤ちゃんを抱えた私は、やむなく葬儀に
行くことができなかった。

人間の別れってあっけないものだ。

おばあちゃんにも本当にお世話になった。

おばあちゃんの料理する煮物は本当に甘くてやさしい味がした。

なんであんないい人が、うちの母のせいで辛く苦しい思いを
しなくてはならなかったのか本当に悔やまれる。

私が何度も忠告して止めたのに、終始聞く耳を持ってくれなかった父にも
今更ながら憤りすら感じる。

でももう全てはあとの祭り。

もう二人とも、記憶の中でしか生きていないのだから。


きっと今頃お父さんは、

心穏やかに親孝行していることだろう。


・・わが娘はすくすくと育っている。

最近、少しずつ笑ってくれるようにもなってきた。

疲れ果てた私の顔が、彼女の澄んだ瞳にくっきりと映っている。

どん底の年に生まれてきてくれた私の希望。

ありがとうありがとう。

お母さん、

少しずつ元気になるからね。


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菜穂香 [MAIL] [profile]

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