| 2023年11月21日(火) |
「あの日の夕焼け」�� |
つづきです
実のところジュスカGt.高井さんから渡された、
本番での候補曲はなんと4曲もある。
「あの日の夕焼け」
「For You」
「White Sphere」
「リベルタンゴ」
これまで記してきたとおり、
どの曲も《おどり》は簡単にいけなかった
ただの（即興）ならいくらでもできるけれど
しかしそれは（おどり）には遠すぎた
聴き込めば聴き込むほどに
ジュスカ･グランペールのこれまでの歩みを
感じざるを得ない
なにしろCD音源でさえ かるく、、
かるく涙がおちてしまうのだ
正直、本番で自分がどうなってしまうのか
泣き出してしまう予感さえあった
生演奏の衝撃はほんとうにわからない
自分はよくもわるくも感情開放型
技術のダンスというよりも
気持ちを全力で乗せていきたい
ただ、この（気持ちを全力で）というのは、
おどりの人にはわかってもらえると思うけれど
その印象は《生々しさ》に直結する
洋舞に関してのそれは徹底的に遠ざけられるものだ
全否定されると言って過言じゃない。
おそらくは表に出すものじゃない、
ひとさまに見せるものではない、という
暗黙の了解のような 決定事項に近い
もしかしたら これが西洋の、
ARTや表現といったものの正体かもしれない
つまり自分はこれに興味がないのだ
これまで自分が触れてきたものには
いろんなものがあった
わかりやすく言葉にしてみようとするなら
「ゴッホの絵」かもしれない
一般的に世人の考え方は、
（ゴッホの絵＝素晴らしい）じゃないかな？
それって誰かの物差しに過ぎないはずなのに、
なぜか世人はほんとうにそう思い込んでいる！
だが、本物のゴッホの絵を見に行ってみるとどうだ
そのすべてが自分の心に刺さるわけじゃない
好きなものも嫌いなものもある
むしろ嫌いなものの方が多いんじゃないかな
ハッキリ言ってゴッホの絵は、、ドギツイ。
絵の具がそのまま乗せられているのを感じる。
よくよく見ていると、、
気分が悪くなるくらいじゃないか？
それほどに《生々しい》
しかしこれほど世界中に（認知されている）、
《生々しさ》はそうそう見当たりません。
もしかしたら これが人類が受け入れられる、
ギリギリのラインなのかもしれない
だってあれ以上のものなんていくらでもある。
ところが 紹介されるところに出てこないのだ。
あれ以上、となればかるくアングラ認識となる。
「芸術は爆発だ！」の岡本太郎はどうだろう？
著しく拒絶反応を示す人も少なくありませんよね。
だけど、その《生々しさ》は生命力にも近い。
生き生きとした生気というのは、、
決して清々しいものだけじゃない
自分はここに《おどり》を見出している
この世には吐き気を催すほどのおどりがあります
しかし見たくない気持ちとは裏腹に、、
目が離せないおどりを ある日見てしまいました
もう（おどり）というよりも（人間）かもしれない
おそろしいくらいの何かが
あんなものがわたしたちのなかにもある、
そう思い知ったんです
この領域はゾッとする何かがあります
ここにはなんと前述した技術のおどりも到達します
ここにこそ西洋の考え方がある気がする
なにしろ西洋のそれは（人間を超えたものとして）
これはなかなか逆説的ですよね
神を目指す思想だからこそ
ここに行き着くのかもしれない
自分はそれを圧してもヒトに美しさを感じます
苦しくて醜くとも《生きようとする人間》には
その見た目、かたち、姿を超えた強さがあります
だから、どう見えていても、どんなことをしても
そこに（ほんとう）があるからには
（うつくしい）としか言いようがないのです
それにしたって（ほんとう）は簡単にはいきません
考えが回るうちは「上手に」おどりたい、
「格好よく」見えたい、そんなものと隣り合わせ
会場の全員に、感性の違うひとりひとりに、
どうすれば（ほんとう）を受け取ってもらうことが
現出させることができるのか
そして何よりも、
感情を通すおどりには覆せないリスクがあります
生々しさには嫌悪が寄り添っているものだからです
つづく
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