断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2022年09月22日(木) わからなくなるまで

深夜 歩いていた
自主トレの最終行程
その「道」は、
もはや「いつものコース」になっていた
最初はただただリハビリのためだった
なにしろ痛みがあるとまともに歩けない
かといって歩かないことはまずい
そうやって開拓されたのは

起伏のほとんどない道筋

いつの間にか「その道筋」になっていた

自分自身の1st復帰公演『Choice』
未だにそのタイトルに震えるときがある
今の自分のカタチは間違いなくその集積だからだ
そのタイトルは今もなお自分自身といえる
おそらくほとんどの人が知るまい
小さな段差がどれくらい危険だったかを
ダンサーが段差につまずいた、
その「ちょっと」が
「あともう少し」が終わらない日々に
毎日つまずいてきた

通院卒業レベルにまで到達した今も
準備なしには不安が常駐する

この時間は
いつもなら本気で誰とも会わない
人間に出会うことがない
人類が滅んでいると思えるくらいに

そんな道が今日は違った

前に停車した車はヘッドライトが点いたままだ
路側帯でヘッドライトの点いた車の先には
杖のようなものを持ったおじいさんが
《道路の真ん中》を歩いていた

すぐに察した
これは自分には経験がある

その(仕事)をしたことがあるからだ

考えてみれば、それは、いつかそんな日が
誰にとっても起こりうるかもしれない姿
そのおじいさんは道路のド真ん中を歩いていた
ただただ真ん中を

痛みを消してある自分の歩きは速い
足音に振り返るおじいさんを横目に
一息に追い抜いた

俺も、、
俺もいつかあなたみたいになるかもしれない

毎日痛みとたたかいながらも
苦痛が抜けない日があっても
今はまだ選択肢がある
選べる選択肢は少なくなってきたけれど
自分の意志が通せる日が来るはずだ

心が躍る日は 消えない


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Taisuke [HOMEPAGE]