断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2016年01月02日(土) 「すべてがFになる」

◎2016年あけましておめでとうございます◎
と、としが、、あけたーーーーーッッッ
ことしもよろしくおねがいします!! 笑笑

こんな大変な作品をよくもアニメ化できたものだ―
正月早々に全話録画を一気見しました。
もうね、これね、絶対年明けに見るもんじゃない!

 『すべてがFになる』
  THE PERFECT INSIDER

孤島の研究所で、少女時代から完全に隔離された
生活を送る天才プログラマー・真賀田四季。
四季に一目会いたいと研究所をおとずれた、
那古野大学准教授・犀川創平と女子大生・
西之園萌絵はそこである事件に遭遇する。
彼らが目にしたのは、誰も出入りできないはずの
四季の部屋から現れた、ウエディングドレスを纏い
両手両足を切断された死体だった―
不可思議な密室殺人に犀川と萌絵が挑む!

 まず驚いたのは冒頭オープニングが
 至ってコンテンポラリーダンスなことでした
 これがまたよくできていて
 たぶんそのまま踊っても成立すると思います

“人類のうちで最も神に近い” といわれる
天才プログラマー・真賀田四季。
14歳の時に両親を殺害。
しかし、心神喪失状態だったと判断されて無罪に。
以来、孤島の研究所で隔離生活を送っていた。
殺害されたのはその四季だと思われた。
しかし実は四季ではありませんでした。
隔離生活で誰も四季の実体を知らなかったのだ!
いきなり暴露して申し訳ないのですが、
これを通過しないと本題に入れない!!(爆)

殺されていたのは四季の娘でした

隔離生活の中で人知れず娘を育てていた四季
しかしその娘を殺し、両手両足を切断したのは
その母、四季だった

この物語には度肝を抜かれました
度肝を抜かれるのは《生きていることの正体》
なにしろわたしたちのフツーが通用しないのです
さらに通用しないのは《しあわせとか愛の定義》
これは、、生きているわたしたちに
たいへんなものを投げかけている気がしました
視点の違いでまったく《生きていること》が、
その意味が変わってしまう!!
もういきなり最終局面の台詞からいこう!!


◎最終話・四季と創平の会話より◎

「どうしてからだに悪いものを吸われるの?」

「さあ、、どうしてでしょう?
 あまり生に執着していないからでしょうか」

「死を恐れている人はいません
 死に至る生を怖れているのよ
 苦しまないで死ねるのなら、
 誰も死を怖れないでしょう?」

「おっしゃる通りです」

「そもそも生きていることのほうが異常なのです
 死んでいることが本来で、
 生きていることはそれ自体が病気なのです
 病気がなおったときに、生命も消えるのです」

「貴女は、死ぬためにあれをなさったんですね」

「そう。 自由へのイニシエーションです」

「警察に自首されるんですね」

「自首したのでは
 死刑にならないかもしれませんね」

「どうしてご自分で、、その、
 自殺されないんですか?」

「たぶん、他の方に殺されたいのね
 自分の人生を他人に干渉してもらいたい
 それが愛されたいという意味ではありませんか?
 自分の意思で生まれてくる生命はありません
 他人の干渉によって死ぬというのは、
 自分の意思ではなく
 生まれた者の本能的な欲求ではないでしょうか?」

「理屈としては、わかりますが、、
 いや、やはり僕には理解できません。。
 しかし、それは、、
 僕がそうプログラムされているだけで、
 貴女がおっしゃることは正しいかもしれない」

「私には正しい、貴方には正しくない
 いずれにしても
 正しいなんて概念はその程度のことです」


愛されたいという意味が、
“自分の人生を他人に干渉してもらいたい”
というのは歯軋りするほど唸りました。。
これをそのまま受け容れると
《愛=他人に干渉すること》となります
意外にもかるく納得できてしまうのです!!!
しかしこの作品ではその究極にまで及んでいます
そう、、“殺人” ッッ
それって干渉しすぎなんじゃないの?!
つまり四季は最初からそれを繰り出せる天才でした
ある意味で無差別殺人なんてのも、
頭がよすぎても起きるのでしょう
他人に干渉することが愛というのなら
その正体とはいったい何なのでしょうか―

考えれば考えるほど混乱しました


「あの、、博士
 どうして僕に会いに来られたのでしょうか?」

「貴方があの海の中で
 おっしゃったことが気に入ったからよ

 《水の中ではタバコが吸えない》

 私には予測できない発言でした
 理由はそれだけです

 貴方は幾つもの目をもっている
 奇跡的に混ざっていない、、
 いえ、本当の貴方をまもるために
 他の貴方がつくられたのね...

 貴方の構造は私によく似ています」


「どこが 違いますか? 博士と僕は...」

「そうね、最も違うのはたぶんクロックでしょう」

「では、あと百年くらいしたら
 僕も博士のようになれますか?」

「百年では無理です」


この人たちはいわゆる天才同士の会話です。
一見、何を話してるのかわからない人もいようw
おおよそ “その人の成分” を見極める能力が凄い。
でも、だからこそ思った。
こういう人たちこそ決めつけがひどい。
その判断能力が長けているからこそ、
決定するものさしそのものがひどい。
《生きていること自体が病気》
どうしてこんなものを悟ってしまったのか
もちろん四季が頭よすぎたのもある!
でもこの物語ではこうおもいました
《人間は社会に囚われている》
自分を愛してくれたおじさんも、
いろいろなしがらみに囚われていた
自由じゃなかったのです
それから解放してあげたかったのかもしれません

もしあのときに違うものを見ていたら
生きていることの意味が変わっていたのでは
ないか、そうおもったのです
わたしたちの潜在意識のそのおおもとは
ちいさいころに感じたこと
わたしたちの未来に大きく寄与していきます


◎犀川と萌絵の会話より◎

「殺人、、、
 どうしてそんなことができたのでしょうか」

「おそらく、、愛情かな」

「殺されることがですか??」

「愛情に決まったかたちなどない」

「そんな!?
 じゃあ、真賀田博士のお嬢さんも愛情を
 感じながら死んでいったというのですか?」

「それはわからない」

「私、わかりません!
 そんなのが愛情だなんて!!」

「僕にもわからないよ
 でも二人の間では
 ごく自然なことだったんだろう」


自然なことというのも納得できてしまいました
母のことを愛していれば
疑わなくていいからです
これはあり得る、そうおもうのです


◎四季とその娘の会話より◎

「お母さま
 海は月よりも人間に必要なものに思えます」

「それは人間との関係が強いということ」

「人間も、
 他の多くのものと関係しているのですね?」

「そうです。 一人一人の人間の存在が
 その周辺に影響を与えます。
 でも人は、周りの人や
 物のために存在しているのではありません。
 つい 誰かのためになりたい、
 みんなの役に立ちたい、それを自分の
 存在の理由にしたいと考えがちなのです。

 存在の理由をわからないままにしておけないのね

 常に答えを欲しがる

 それが人間という動物の習性です」

「欲しがってはいけないのですか?」

「いいえ、欲しがることは間違いではありません
 しかし、完全なる答えなどないのです
 でもそれを問い続けることは
 とても大事なことです」

「近づくことはできるのですね?」

「そう考えればよいとおもいます」

「でも私にもまだわかりません」

「お母さまにもわからないことがあるのですか?」

「もちろんです。 わからないことがあるから
 人はやさしくなれるのです」

「どうしてですか?」

「すべてがわかってしまったら、
 何も試すことができません
 何も試さなければ 新しいことは何も起こらない
 人はわからないことの答えを
 知りたいとおもって追い求める
 そこにやさしさや懐かしさ、
 そしてよろこびたのしみがうまれるのです」

「私は お母さまにいつも聞いています
 こうして答えを求めることで
 私はやさしくなれますか?」

「そうね
 私がいないときもいつも問いなさい
 誰も答えてくれないときも問い続けなさい

 自分で自分に問うのです

 それを忘れてはいけません

 それがあなたのやさしさになるでしょう」


ここでも唸りをあげました!!
つい誰かのためになりたい、
みんなの役に立ちたい、
それを自分の存在の理由にしたい、、
これは大いにあり得る話です。。
他者がいるとどうしても繋がりを感じてしまう。
そしてそれをたいせつにおもってしまう。
でも、もしそれが存在の理由じゃないのなら。
他にその理由があるというのなら
ただの《勘違い》ッッ

四季にとってこの世がどんなところなのか、、
生きていることのほうが異常
生きていることを閉じてしまうその思考が
まったくわかりませんでした

でも、そのように感じる人がいても
不思議じゃないとおもうのです
殺人というのは行き過ぎだとはおもいます
だけどそういう人でさえ
生まれてきたからには生きていていいと
おもうのです

だって生きているんだものね

決めごとのとおりに生きていれば
果たして人間らしいといえるのか
わたしにはわかりません
この作品を見てますますわからなくなりましたw
いいとわるいでひとは裁けない
判断基準が人間社会というのはひどく危険です


わたしたちは思い込みや刷り込まれた常識に

どれだけとらわれているか知れません

だからこそ

疑うことはたいせつだとおもいます


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