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海底深く眠る魚
2008年05月22日(木)
きらきら輝くのは金の鱗 あなたの手からこぼれ落ちた 海底深く眠る魚は一度太陽の光を浴びたくて 水面に顔を出し あなたにすくわれた。 心地よい夢が繰り返しかさなり 魚は海を忘れてしまった
いつしか魚の鱗がはがれ落ち 尖った棘が身体に差し込んで 魚は海へ戻りたいと願って 願って でもあなたのいないこの海に どうして一人で戻っていけるだろう
湿った砂原の真ん中で 途方に暮れている魚がいる 温かな手はもうない けれど海に還れる手段もない
あなた もう一度わたしをすくってくれませんか けれど背中すら見えずに涙が零れ落ちる 流れ落ちた涙は真珠となって 真っ暗な海辺に光を灯す
ああ誰か 夜の海辺でほのかな灯りを見つけたら それはわたしの屍でしょう
きらきら零れ落ちるのは銀の鱗 2度と海には戻れない魚の破片
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