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母を殺す娘
2005年02月21日(月)
母は私が自分を殺すと思っていた。 癌の進行が進んで余命幾ばくもない頃。
酸素マスクが外れそうなのを治そうと手を伸ばした時、 私の手を払いのけてこう言った。
「何しようしているの?知っているのよ。 先生と2人で私を殺そうとしているんでしょう」
大きく目を見開いて、笑っていた。 誰かの悪戯を見つけた子供みたいに。
それから傍に寄せて貰える事は無く、母の意識は途絶え、そして逝った。
死への恐怖と猜疑心とで母は混乱していた。
優しい母だった。弱い母だった。
そして私は壊れた。
1人で医師から告知を受けた。 暗くなったロビーで母は1人でぽつんと座って待っていた。 部屋から出て来た私を見て、「お鍋食べて帰ろう」 無邪気に笑いながら言った。
あれはクリスマスの次の日。
デパートでアクセサリー販売をしていて、Xmas商戦が終わってホッと 一息ついた頃。 頼まれて一緒に病院へ付き添った。
クリスマスもお正月も最後になった。
もう、何年も昔の事。
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