ぴんよろ日記
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2009年11月12日(木) 38×2=76

 なんとはなしにつけていたニュースで「76歳でミュージカルに挑戦する草笛光子さん」が特集されていた。草笛さんがなじんできた「一曲を歌い上げ」ながら進むものではなく、曲の間に芝居やセリフがめまぐるしく入り乱れるスタイルに、稽古のあいだは戸惑いの連続。そして「できると思ってることができない」という、否応ない「老い」の現実があるのだけど、でも、草笛さんはとにかく稽古をし、自宅でもバランスボールを転がし、腹筋を鍛え、稽古場で誕生日を祝われたりしながら、初日を迎える。結果は、(VTRで見る限りでは…)もちろん大喝采なのだが、これは「舞台」なのだ。TVを見ている人は「よかったねー、すごいねー」で、ポチリとリモコンを切れば終わりだし、舞台を観る人も「よかったねー、すごかったねー」と劇場を後にすれば、明日はまた違う日だ。でも、草笛さんはこれをあとひと月、76歳の生身の体でやるのである。
 それにしても、草笛さんの…もちろん、あらわにした肩や腕は「あの歳にしては」の美しさで、多少のシワやたるみはあるのだが(当然だ〜!38歳一般人のそれだって自慢できない〜)、おなじ画面に映っていた大竹しのぶさんや宮本亜門さんと並んでも、その生命エネルギーのようなものは、いちばんにピカピカで表面張力がきいていた。自身の「老い」について語るときなんて、目がもう、ピカピカどころか、ビッカビカなのだ。あれはたぶん、その「『できると思ってることができない』状態さえも、芸の味にできるはずだ」というような気持ちで、歓迎し、招き入れているのだろう。
 私の大きな夢は「おもろいばあさんになること」であるが、とびきりの「ばあさん」の姿を見せてもらって、その思いがますますふくらんでしまった。あ、38×2=76。ちょうど倍だ!がんばろう!


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