ぴんよろ日記
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2008年11月25日(火) 歯っ欠けグリーンベレー

 あまりにもいろんなことがありすぎる日々…。

 土曜日はヒコと「白いかもめ」に乗った。片道の正規料金だったので、鳥栖まで3700円と言われてギョッとして、思わずバスに変えたくなったが、やはり列車の方がゆっくりできたし、景色もきれいだったので良かった。ワゴンサービスのお姉さんから、それぞれコーヒーとアイスクリームを買ったりして、楽しく過ごした。思ったよりも、というか、ぜんぜん歩き回ったりすることもなく、奇声を発することもなく、ずーっと窓の外に見えるものについておしゃべりし合った。困ったことと言えば、最後の最後にヒコがハナクソをほじってしまい、それがどうやら会心の作だったらしく、ずっと持っておきたいと大声で言い続けたことくらい。それから数時間後に訪ねる友だち一家に見せたいらしく「『そのハナクソかっこいいね〜どこで買ったと?』って言われるかな」と期待に胸を膨らませていたが、結局は、電車が揺れた時に行方不明になってしまった(すみません、かもめの人)。

 その夜は、小国の焼肉を堪能。温泉も堪能。いつもよりしっかり温もったら、長崎よりはるかに寒いはずの小国の夜なのに、朝まで足が冷たくならなかった。あの温泉はすごい。ホルモンやチーズをつつきながら、友だち夫婦が「見える」人に見てもらったことなどなど、今回はスピリチュアル方面に話が盛り上がる。ダンナ二人に「金縛り経験者」という共通点が発見された。「来た来た来た〜って思うよね」「そうそう。下からだんだん重くなって」とか、盛り上がってた。「わかんないよね」「わかりたくもないけど」と、妻2人。

 日曜日の帰路、人生初の左ハンドルを練習。…ということで、新しい車は、まさか自分に関係あることになるなんて思っても見なかった「左ハンドルのベンツ」である。私にけなされながらも、ずっとこの車に憧れ続けてきたダンナが、今回をチャンスと見て、どうやら血眼になって探したらしく、その情熱たるや、ヒコのエネルギーとおなじく、なにか別のことに有効活用できないだろうか、というくらい激しいものだったのだが、どうやらその願いが聞き届けられたらしく、折れざるを得なかった。「新しい車」と言っても、なんと、今回さよならするオメガよりも古い。なんだそれは。「左ハンドルのベンツ」なんて、こんなに印象の悪いものもないと思うし、すごく高そうに思われるだろうが、いろいろ含めても、100万に遠く及ばない。ローンは月2万ほどである。でも、きっと、いろいろ言われるんだろうな。まぁその点は痛くも痒くもないけど。我が家の車の主治医「コミネ監督」に見せたら「よく見つけてきたね!」と言われたくらい、いいものであるらしいが…。

 さて、月曜日。実家にヒコを見てもらって、ペコロスの編集をしようと思っていた。しかしまずは、車を動かそうとしたら、うんともすんとも言わない。後で聞けば、センサーかなにかのちょっとした問題で、ギアのパーキングを認識していなかったらしいのだが、そんなことは知ったことじゃない。列福式の取材の真っ最中とわかってはいたが、ダンナに連絡。「もう!何してもエンジンかからん!どういうこと!?」という現実的な電話の向こうでは、聖歌が流れていた。
 「『止まらん車にしてね』とは言ったけど、それ以前に『動かん車』じゃん!」と毒づきつつ、あまりの空腹と悲しさ(私が嫌ったから、車から意地悪されたようにも思えたのだ)で、思わずタクシーで実家に行き、ごはんを食べて、ハハとヒコは2階へ遊びに行き、私と父は1階で列福式の中継を見ていた。そしたら、ドスーン!ゲラゲラ!ドスーン、ワハハハ!と、どうやら飛び降りて遊んでいるような楽しそうな声が聞こえてきたのだが、最後に、ドッ、スーーーーーーーン!ウワーーーーーン!とただ事じゃない音と泣き声がして、ハハが抱っこして階段を下りてきて、顔を見たら口が血まみれ。一瞬頭がホワーンと白くなったが、父と母が仰天していたので、ここはなんとか腹に力を入れつつ、病院へ。どこをどう打ったのかはわからないのだが、下の前歯が2本、スコーンと抜けてしまった。乳歯なので、このままにしとくしかないらしい。ということで、永久歯が生えて来るまでの3年ほど、歯っ欠け王子として生きていくことになったヒコである。
 彼はどこから飛び降りたのか?
 最初のころのかわいい「ドスーン」は、椅子かなにかだったようだが、最後の「ドッ、スーーーーーーン!」は、3歳児はもちろん、大人でも飛び降りようとは思わないはずの高さの(だからハハは、ヒコがそこからまき散らしたおもちゃを拾うために、後ろを向いてしまっていた。だれがあそこから飛ぶと思うだろう?)、2段ベッドの上段からである。普通の2段ベッドではなく、家を造る時に作り付けた、より天井に近い高さのところからである。私も実家に暮らしていたころはそこに寝ていたのだが、飛び降りようと思ったことは一度もない…、いや、ある(私も高いところから飛ぶのが好きな子どもだった)。でも、その後の「じ〜ん」が強すぎて、二度と飛び降りようとは思わなかった。とにかくそんな高さである。夜、「飛べると思ったの?」って聞いてみたら「うん。だって、とびたかったんだもん。ばーばに、はいどうじょ(だっこ)したかったんだもん」と言っていた。そして恐ろしいことに「もう飛ばないよね」と問いただしたら、ニタニタ笑っていた。
 ということで、徹夜で編集。でもまぁ、歯が2本で済んで、本当に良かったと思う。骨を折ったり、ましてや首を折ったり、と考えれば、歯が2本で、本当に良かった。厄払いと思おう。

 適職は…特殊部隊…か、なにか、だろうか。グリーンベレー、とか。それとも、向こう見ずすぎて、むしろダメか?


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