ぴんよろ日記
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日曜日、ちょっとした休みだったので、 「オロン」のおいしいパンが食べたくて、茂木に行った。 茂木は、うちの暴れん坊将軍「もぎ」氏のふるさとだ。 パンを買ったあと、もぎ氏と遭遇した廃屋のそばを通り、 (今でも兄弟の亡骸はあるのだろうか…?) 缶コーヒーを買おうと、自動販売機の前に車を止めた。 そしたら、猫がいた。 すごく汚れていて、寂しそうで、寒そうで、じっとしていた。 いま買ったばかりのパンを2切れ投げたけど、食べようとしない。 車に常備しているドッグフードも、どうかな、と思いつつそばに置いたけど、 やっぱり食べない。 近付くでも、逃げるでもなく、じっと、寒い目をしている。 しばらく話しかけてみる。 体のあちらこちらが、断片的にもぎ氏と似ている。 模様の色や入り方などが、どうしても他人とは思えない。 もぎ氏と会ったところとすぐ近くだし、 たとえ親兄弟じゃなくても、親戚だとは思う。 でも、もぎ氏が真っ白にしている部分は真っ黒に汚れていて、 いつも真ん丸な目は、暗く沈んでいた。 目の前では、結局何も食べなかった。
どちらが幸せかどうかなんて、全然分からない。 雨露をしのぐ心配なんてなく、食うに困らないけど、 自由に外を出歩けもせず、生殖能力まで奪われたもぎ氏。 厳しさと自由さの中に生きる、野良もぎ氏。
だからといって、野良もぎ氏を連れて帰る、というのも違う。
別れてからもしばらくは、ずっと考え込んでしまったけど、 いっそうもぎくんを大切にしていくしかないと思った。
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