ぴんよろ日記
DiaryINDEXpastwill


2002年09月16日(月) 最近見た人の印象。

このところ見た人の中で印象深い人、2人。

1、野村萬斎
福岡で毎年やっているという狂言の会に行ってみた。
「スッ」と背筋を伸ばして、揺れもなく登場するかと思ったら、
わりとぐにゃぐにゃした感じで出てきて、
話している間もぐにゃぐにゃとした感じだった。
でもそれがぜんぜん悪い印象じゃない。
なんだろう、どこかでバランスを保って立っている、振り子人形とか、
そういう雰囲気です。つついても倒れないぐにゃぐにゃ加減。
とにかく和泉元彌とは、次元や格が違う。安くない。
萬斎さんも良かったですが、狂言が大笑いで面白かった。
「キッチリしたバカ話」という感じ。萬斎さんじゃなくてもまた見たい。
(元彌でもいい。途中で止めさえしないなら)
最後、カーテンコールもなく、再登場もなく、さっと終わるのも気持ちよかった。
オペラなど見に行くとうんざりする。
そんなに拍手が欲しいかという、意地悪な気持ちにすらなる。

2、宮本亜門
「はなまるカフェ」に出ていた。
沖縄で楽しく暮らしている様子も面白かったし、
テロの時ニューヨークにいて、中継をしたときの話も良かった。
もっと「陰」な人かと思っていたら、いい具合に明るい人だった。
(ネスカフェの宣伝は、なんだか人を深刻に暗い感じに印象づけますね)
でも何といってもすごいと思ったのは、
テロのショックなどがあって疲れていたので、タイに休みに行ったら、
交通事故にあって頭がパックリ割れたという話だった。
タクシーに乗っていて、後ろのシートから前に飛んで、フロントガラスを突き破ったらしい。
死んでいてもおかしくない状況で、何十針も縫ったのに、
その時やっている仕事が終わるまで、何カ月間も誰にも言わなかったという。
ずっと帽子をかぶって隠していたと。
事故にあって「生きてる!」と分かったとき、何を思ったかというと、
「演出したい!」だったそうだ。
あんまり明るい話ではなかったのに、ずっと面白く、楽しかった。
それは彼自身がいまとても楽しく、喜びにあふれた生を生きているからだろうと思う。
なんか、こう書くときれいごとっぽいけど、いいものを見たという気持ちになったのだ。

あ、そういえば「3」。
矢沢永吉。
たまたま付けたテレビに出ていて、
「もう少ししたらこんな仕事もやめて、面白おかしく遊んで暮らしたい」と、
まったくもってカッコ悪いことをいう小倉智弘(だったっけ?)に対して、
「人間はそんなに器用じゃない。自分は何ができるのか、それを見つけてずっと生きるしかない」
というようなことを言っていた。
ステージの演出をしているところも出ていて、それともども、非常に格好良かった。
ヤザワはヤザワなだけに、ちょっと今まで引いていたけど、
「成りあがり」など、今度読んでみようと思う。
そして長瀬智也でドラマ化されるらしい。それはちょっと見逃せないなぁ。
(「ビッグマネー」でちょっとファンに。ジャニーズ系初。)




トンビ |MAILHomePage