長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2008年12月14日(日) 雪が溶けると。

 越後日帰り旅行。

 年末年始の強行軍第一段は新潟へ。因みに先行として第零段は先週の日曜日だったりするのだけれども。
 新幹線で2時間揺られて雨の北陸へ。夕暮れ時には霰も降ったりして、北海道ほどではないけれども関東に比べれば空気は雪の気配を孕んでいて。――当然と言えば当然、朝は雪が降っていたそうだから。私が到着した頃には、全て溶けてしまっていたけれども。

 雪が溶けると何になる――?

 そういう質問に、雪国の出身である私や、私の知る友人は、「春」と答えたけれども。雪が溶けても春にならない地域もあるんだな、なんて、改めて思ってみる。「水」なのかしら。それとも、もっと別の、何か。

 観光らしい観光はしていないけれども、一応目的は達成して、何よりも行きを御一緒したHさまと、帰りを御一緒したNさまと、其々色々なお話を出来たことは嬉しかったし。帰路は初めてのグリーン車――耳の調子が不明瞭である今、無理は避けたかったので――は、一度乗ったらやめられないという人の気持ちがよく解るほど心地良かった。強行軍の最後の方でまた乗ってしまうかも、なんて、思ったり。……金銭面では避けたいところなのではあるけれども。矢っ張りねー普通車より断然良いよねー。

 雪が溶けると。

 嗚呼、熱が生じるかも知れないな、なんて。
 今回の弾丸強行軍は熱を追いかける旅でもあるのかも知れない。北へ、南へ。東へ、西へ。非常に衝動的な旅で、各地巡るけれども目的は常に一つだけで。熱が生じたから雪が溶けたのではなくて、雪が溶ける時に熱が生じるのだ。最初は、とても冷たい――冷めた感情が底に、其処にあって、其れが溶けてゆく中で発熱してゆく。雪が溶ける原因は何だろう。熱は結果物だから、もっと直接的で止められないもの――其れが衝動なのだろうか。

 衝動。

 あれかな、起源だ。本能。理性では若干抑えられたとしても、完璧に制御することは出来なくて、ずっと訴えかけてくる――だから英語では衝動も本能も Instinct なのかな。

 雪が溶けると。

 何になるのだろう。春でもなくて、水でもなくて。其処に生じた熱は、何なのだろう。衝動が雪を溶かして熱が生じるならば、其の先は?










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